【今週の債券】長期金利0.6%割れも、リスクオフ継続や日銀買いオペ

今週の債券市場で長期金利は約2カ 月ぶりとなる0.6%割れを試す展開が予想されている。世界的な景気懸 念を背景にしたリスクオフ(回避)継続による株安や日本銀行の長期国 債買い入れオペで金利低下圧力が掛かりやすいためだ。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが24日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.58%-0.68%となった。0.6%を割り込めば、2013年11月14日 以来となる。前週末終値は0.625%だった。

前週の長期金利は0.6%台後半でもみ合いとなっていたが、週末に 水準を切り下げ、0.625%と昨年12月5日以来の低水準に達した。新興 国を中心とした世界経済の先行き不透明感を背景に米株価が大幅下落 し、米10年国債利回りが2.7%台に急低下したことが買い手掛かり。外 国為替市場ではアルゼンチンやトルコなどの新興国の通貨が対ドルで下 落し、投資家のリスク回避姿勢が強まった。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、海外主導で2月までは リスクオン(選好)の流れが続くとみていたが、すでにその流れはいっ たん途切れたと指摘。「当面は昨年11月の10年債利回り0.5%台後半が 低下めど。債券売りを仕掛けるには、米連邦準備制度理事会(FRB) ないしは日銀から金融緩和的なメッセージが発せられ、リスクオフの流 れに歯止めが掛かることが要件であろう」と言う。

28、29日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、緩 和策の縮小が決定される見込みだ。ブルームバーグがまとめたエコノミ スト対象の調査によると、FOMCは毎回の会合で資産購入額を100億 ドルずつ引き下げ、年内には終了する見通し。

2年債入札

国内では30日に2年利付国債(2月発行)の入札が行われる。前週 末の入札前市場で2年物は0.095%程度で推移しており、表面利率(ク ーポン)は前回債と横ばいの0.1%となる見込み。発行額は2兆9000億 円。28日には既発国債を追加発行する流動性供給入札が実施される。発 行額は3000億円程度で、今回は10年物と20年物が対象銘柄となる。

今週は日銀の長期国債買い入れオペが頻繁に実施されるとみられて おり、需給環境の良好さが債券相場を支える見込み。JPモルガン・ア セット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は「日銀の国債買い入れ オペが3回見込まれている一方、入札は2年債程度で、需給が引き締ま りやすい」と話した。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は中心限月の3月物、10年国債利回りは332回債。

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤シニアファンドマネージャー

先物3月物144円40銭-145円00銭

10年国債利回り=0.60%-0.65%

「米国が量的緩和縮小を進める過程で、金融市場が一定のショック 受けるのはやむを得ず、株高や金利上昇、円安がいったん調整局面入り した。ただ、足元で起きているようなリスクオフは、過剰流動性を引き 揚げる過程で避けて通れない動き。世界経済が変調を来したわけでない ため、金融市場が大きくトレンド転換したとまでは見通せない。国内金 利は短期的には低下方向でも、中長期では緩やかな上昇傾向とみる」

◎みずほ信託銀行の吉野剛仁チーフファンドマネジャー

先物3月物144円10銭-145円00銭

10年国債利回り=0.60%-0.68%

「リスク資産の調整で金利は低下方向。前週末のアルゼンチンの混 乱は予想しなかった材料。米国株へのベア見通しなど複合的にリスクオ フの動きに向かいやすい。内外ともポジションが軽い中で材料が出たた め、水準感にあまり関係なく相場が動く展開で、長期金利は0.5%台ま では買い進めずとももう少し低下余地がありそう。リスク性資産に強気 の見方が多かっただけに調整が長引く可能性もある」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物3月物144円20銭-145円10銭

10年国債利回り=0.58%-0.68%

「今週開催のFOMCでは量的緩和100億ドルの縮小を決めると予 想する。新興国など世界経済の見通しの悪化に加えて、先進国経済への 影響なども出てくる可能性がある。雇用関連の指標が重要だろう。2年 債入札は問題なく通過できるとみている。今月の30年債、5年債の入札 はさえなかったが、2年債入札は日銀が国債買い入れオペで吸収してい るし、海外勢の需要もあるので心配はないとみている」

--取材協力:赤間信行、池田祐美 Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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