ヤマハ発:インドネシア昨年二輪販売は目標超え-柳社長

ヤマハ発動機はインドネシアで、昨 年の二輪車販売が目標の255万台を上回り、今年も最低でも昨年並みの 販売を見込んでいる。ヤマハ発の二輪車販売台数でインドネシアは約4 割を占める最大の市場。

柳弘之社長は23日のブルームバーグのインタビューに、インドネシ ア販売は「コンサバ(慎重)にみていたが、それ以上に着地が良さそ う」と述べ、昨年8月の決算発表で下方修正した販売目標255万台を上 回る見通しを示した。今年の販売については、現地通貨のルピア安やイ ンフレ問題もあり、「最低、昨年並み」となる見込みを示した。

インドネシアでは政府が2012年6月に導入したローン頭金規制の影 響で、同年のヤマハ発の二輪車販売は前年比23%減の242万台となって いた。さらに昨年初頭、この規制が強化された。柳社長は、この影響は 既になくなっていると指摘した。

クレディ・スイス証券の高橋一生アナリストは、インドネシアでイ ンフレ率が高まり、二輪車需要の大きな伸びが期待できない中、ヤマハ 発が現地で昨年並みか微増と考えているのはポジティブに捉えられると コメントした。一方、独立系調査会社社ティー・アイ・ダヴリュ (TIW)の高田悟アナリストは、インドネシアはヤマハ発の重要市場 であり、全体需要並みの伸びを期待したいと述べた。

インドネシア自動車工業会によると、昨年の現地二輪車需要は前年 比9.6%増の774万台。ヤマハ発の販売目標はシェアで約33%となる。

インド販売は昨年程度の伸び維持

柳社長は昨年の「主戦場」と位置付けていたインド市場でも、昨年 の販売目標50万台を上回ったことを明らかにした。50万台は前年比 で44%増となる。現地ではスクーターのラインアップ拡充を図るなど新 商品を相次ぎ投入しており、今年も「ペースとしては昨年と同じくらい の伸びになる」と述べ、伸び率を維持する見通しを示した。

インドでは今後、販売地域と購買層拡大に注力する方針を示した。 現在は都市部中心の販売だが、地方市場も積極的に開拓する。また、高 価格帯中心の購買層を広げるため新商品を投入する。中期的には低コス ト車種への参入も視野に入れ、「価値に見合った価格」で事業を展開す る。17年には12年比で約6倍の220万台の販売を目指している。

また、大型オートバイの販売不振などから赤字となっていた先進国 (欧米)事業について、今年は黒字化を狙えるとの見通しを示した。新 商品投入で競争力が向上しており、「アグレッシブな計画」になるとい う。昨年中に黒字化を達成したかについてはコメントを避けた。

ヤマハ発は12年に189億円の営業赤字だった先進国事業を、昨年 に45億円の赤字まで改善する計画だった。実際にはマリン事業の好調か ら収益改善が進み、昨年1-9月で赤字額は7億円に縮小していた。

四輪事業は欧・日・新興国でも

一方、20年までに参入を目指す自動車事業について、柳社長は「欧 州であれ、日本であれ、新興国であれ、どこでもいける体系はつくりた い」と述べ、幅広い展開を検討していることを明らかにした。投入車種 は、既存自動車メーカーが「主戦場としているところは難しいと思う」 と述べ、需要があるのに商品が少ないセグメントを狙う意向を示した。

四輪車事業への参入を決断した理由について、柳社長は「特に新興 国で膨大な顧客を持っており、その人たちがステップアップしたときヤ マハにどうかかわってもらうか」を考えたと語った。広がりの一環が今 年発売するスポーティ三輪車「トリシティ」であり、その先に四輪車へ の取り組みがあるという。自動車事業に関連して新たに提携関係を結ぶ ことは「考えていない」と述べた。

ヤマハ発はトヨタ自動車と共同開発でスポーツ車2000GTを1967 -70年まで委託生産した経験を持ち、現在もトヨタにレクサスのエンジ ンを供給している。柳社長は、車体も含めた四輪車生産は厳しい安全基 準などを乗り越える必要があると述べる一方、販売は既にヤマハ発の現 地ディーラーが他社の車両も併売するなどノウハウを持っており、生か していきたいと語った。

自動車事業の具体案については、1月1日付で検討専門部隊を立ち 上げており、今年中にまとめる予定。ヤマハ発は昨年11月の東京モータ ーショーで自動車事業参入を表明、2人乗りで排気量1000cc規模のガソ リン車と電気自動車(EV)を試作車として公開した。

中期計画で利益目標を上方修正

15年までの中期経営計画について、柳社長は期間中に為替相場や市 場環境が大きく変わっているため、今年秋にも内部的な見直しをする方 針を示した。新興国中心の市場拡大が当初見込みより遅れる傾向にあ り、販売台数については下方修正する可能性がある一方、コスト削減の 進ちょくや商品構成の向上から「利益は良くなるはず」と上方修正の見 通しを示した。

中期計画では15年までに商品販売台数900万台、売上高1兆6000億 円、営業利益率5.0%を目指している。3年間のコスト削減目標は900億 円。柳社長は、円安で対ドルの事業はプラスとなったが、新興国通貨変 動からコスト削減活動の手綱を緩められないとした。サプライヤー を400社から200社に集約する活動などは達成が視野に入っているとい う。

高橋アナリストは、今年は新興国需要が不透明な一方、円安などの プラス効果もあり、当面は予想コンセンサスの切り下げも切り上げも想 定していないが、15年までの原価低減策が顕在化してきたり、新モデル 投入効果がみえてくれば、後半から期待をしたいと述べた。

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