1月24日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円とフラン上昇-新興国通貨の下落で逃避需要

ニューヨーク外国為替市場では円とスイス・フランが上昇。新興市 場国通貨が一段と売られ、円とフランに逃避需要が集まった。

円は世界174通貨のうち2通貨を除くすべてに対して上昇。中国の 信用リスクをめぐる懸念が強まり円需要を支えた。アルゼンチン・ペソ は世界で4番目にパフォーマンスが悪かった。アルゼンチンは外為市場 での買い支えを減らしてペソを事実上切り下げ、ペソは前日に13%急落 した。ドルは米金融緩和の縮小が続くとの思惑を背景に底堅く推移し た。トルコ・リラは過去最安値に下げ、ロシア・ルーブルは5年ぶり安 値となった。

チャプデレーン(ニューヨーク)の為替責任者、ダグラス・ボース ウィック氏は「リスクを敬遠する展開だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで0.9%高の1ドル =102円31銭。一時は12月6日以来の高値となる102円ちょうどをつけ た。円は対ユーロでは1%上昇して1ユーロ=139円98銭。スイス・フ ランは対ドルで0.3%上昇して1ドル=89.45サンチーム。対ユーロで は0.4%高の1ユーロ=1.2235フラン。

トレーダーや投資家は混乱が主要先進諸国にも波及するかどうかを 見極めようとしている。先進国と新興国の外為市場でのボラティリティ ーを示す指数の格差は9月以来での最大となった。

JPモルガン・チェースの指数によると、主要新興国7カ国の3カ 月物インプライド・ボラティリティ(IV、予想変動率)は9.78%と10 月3日以来の高水準。先進国は同8.34%と3週ぶりの高水準だった。

新興市場国通貨

ウクライナやタイでの反政府デモ行動やトルコでの贈収賄疑惑をめ ぐる調査などを背景に政治的安定への投資家の信頼感が揺らぎ、新興市 場国通貨は下落した。

アルゼンチン・ペソは対ドルで1.5%安。前日は12年ぶりの大幅安 だった。同国中銀が相場維持の取り組みを後退させたことに反応した。 トルコ・リラは対ドルで1.9%下落。

BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の均 等加重の通貨バスケットは93.7と、9月5日以来の低水準だった。

中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は地域の支部に対し、石炭業 界の信用リスクの精査強化を指示した。事情に詳しい関係者2人が明ら かにした。関係者によれば、銀監会がこうした警告を出すのは銀行に著 しいリスクを突き付けると判断した場合であり、定期的には行わない。

ドルへの恩恵

UBSの新興市場クロスアセット戦略責任者、バーヌ・バウェジャ 氏は「新興市場の問題はドルに恩恵をもたらすはずだ」と述べ、「市場 では短期ローン返済のドル需要があるのかもしれない。これからは借り 換えではなく返済が求められるだろう」と続けた。

ドルは主要通貨の大半に対して上昇した。経済成長の減速を示唆す る経済統計が発表されているにもかかわらず、来週の米連邦公開市場委 員会(FOMC)会合では緩和策の縮小が決定されるとみられている。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値によると、 FOMCは毎回の会合で資産購入額を100億ドルずつ引き下げ、年内に は終了する。

ドルの主要取引16カ国通貨のうち、円は年初から2.9%上昇と、最 高のパフォーマンスだ。昨年の円は18%下落して、主要10カ国(G10) 通貨の中で最も下げた。ユーロは年初から0.5%下げている。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏は「新興市場通貨の弱さが円やフランなど伝統的な安全逃避先であ るG10通貨の上昇に貢献しているようだ」と述べ、「最近の値動きから は影響が波及する恐れはまだ消えていないことが分かる」と続けた。

原題:Yen Rallies With Franc as Havens Amid Rout in Emerging Markets(抜粋)

◎米国株:6月来の大幅安、ダウ318ドル下げ-新興市場不安で

米株式相場は6月以来の大幅下落。主要株価指数は週間ベース で2012年以来の大幅安を記録した。新興市場通貨が売られる中、世界の 市場が一段と不安定になるとの警戒が強まった。

ダウ平均の構成銘柄ではキャタピラーやゼネラル・エレクトリック (GE)、ボーイングが下げの中心となった。予想を下回る利益を発表 した鉄道会社カンザスシティー・サザンは15%下げ、2008年以来の大幅 安。スロットマシンメーカーのインターナショナル・ゲーム・テクノロ ジー(IGT)も15%急落。同社の昨年10-12月(第1四半期)の利益 はアナリスト予想に届かなかった。

S&P500種株価指数は前日比2.1%安の1790.29で終了。終値では 昨年12月17日以来の安値水準。週間では2.6%下落。ダウ工業株30種平 均は318.24ドル(2%)安の15879.11ドル。週間では3.5%下げた。

ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズのエリック・ティール 最高投資責任者(CIO)は電話取材で「新興国市場と為替相場の不安 定な状況が米国市場に影響を及ぼしている」と指摘。「昨年の力強い上 昇の後には、こうした過剰反応の売りが出る可能性は予期されていたこ とだ」と述べた。

新興国通貨は前日に過去5年で最悪の急落となった。アルゼンチン が外為市場での買い支えを減らしてペソを事実上切り下げたことなどが 背景。トルコ・リラが大きく下げたほか、ウクライナのフリブナは4年 ぶり安値、南アフリカ共和国のランドも下げ、2008年以来で初めて1ド ル=11ランドの水準を割り込んだ。

「大量の売り」

一部新興国に対する投資家の信頼感は失われつつあり、米連邦開市 場委員会(FOMC)が債券購入の縮小を昨年に示唆して以降に始まっ た通貨の売りに拍車をかける形となっている。S&P500種は前日 に0.9%下げ、ダウ平均は1カ月ぶりの安値となった。中国の製造業購 買担当者指数(PMI)が製造業活動の縮小を示したことが売りを誘っ た。

この日はMSCI新興市場指数が1.5%下落。年初からの下げ幅は 5%を超えた。欧州の主要株価指数は6月以来の大幅安となった。

BTIGの株式ストラテジスト、ニック・ザンダーズ氏(ロンドン 在勤)は電話取材で、「こうした新興国通貨が大量の売りを浴びてい る」と指摘。「ロシア・ルーブルやインド・ルピー、ブラジル・レア ル、南ア・ランドなどはすべて下落しており、その主因は米国の緩和縮 小だ。新興国の成長の恩恵を受けてきた企業の多くが今や、状況反転を 予想している」と述べた。

ボーイングやキャタピラーが安い

S&P500種の業種別10指数はこの日すべてが下落。資本財株や素 材株の下げが最もきつかった。ダウ銘柄ではボーイングが3.3%、キャ タピラーは2.6%それぞれ下げた。

景気敏感株で構成するモルガン・スタンレー・シクリカル指数は 3%下げて、昨年4月以来の大幅下落。ダウ輸送株平均は4.1%安と、 1日の下げ幅としては2011年以来の最大を記録した。

カンザスシティー・サザンは15%安。10-12月(第4四半期)決算 は利益がアナリスト予想に届かなかった。石炭運送の減少を要因にエネ ルギーの売上高が17%落ち込んだ。

IGTも15%安。10-12月の1株当たり利益は25セントと、アナリ スト予想平均を6セント下回った。

原題:U.S. Stocks Tumble Most Since June on Emerging Market Turmoil(抜粋)

◎米国債:10年債利回り8週ぶり低水準-新興市場不安で

米国債相場は続伸。10年債利回りは8週ぶり低水準を付けた。新興 市場をめぐる不安から逃避先として米国債の需要が高まった。

10年債は週間ベースで4週続伸と、昨年4月以降で最長の連続高と なった。前日は中国の製造業活動の縮小が示されたほか、アルゼンチ ン・ペソが2002年以来の大幅安となり、トルコ・リラは過去最安値に下 落。そうした状況を手掛かりに米国債は上昇した。米連邦公開市場委員 会(FOMC)は来週会合を開催する。また財務省は期間2年の変動利 付債の入札を実施する。財務省短期証券(TB)のレートはこの日上 昇。1カ月物TBのレートは11月29日以来の高水準を付けた。

グッゲンハイム・セキュリティーズの米政府債トレーディング担当 マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「米国債市場は、 新興市場をめぐる懸念や株式市場での大量の売りに不意打ちを食らった 格好だ」と分析した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時7分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の2.72%。一時2.70%と、11月26日以来の水準に 下げた。同年債(表面利率2.75%、2023年11月償還)価格は17/32上げ て100 9/32。

月間での動き

米国債はこのままいけば、月間ベースでは2012年5月以降で最大の 上げとなる。FOMCが12月に債券購入の100億ドル縮小を決定したも のの、相場は上昇している。ブルームバーグ米国債指数によると、米国 債の月初来リターンは前日までの段階でプラス1.2%。前月はマイナ ス1.1%だった。

30年債と5年債の利回り格差は2.09ポイントと、9月以降での最小 記録に接近した。過去1年間の平均は2.28ポイント。11月には2.54ポイ ントと、ここ2年で最大に広がった。通常、イールドカーブの平坦化は 経済成長の減速予想を反映する。

昨年米金融当局が量的緩和の縮小を示唆して以来の新興市場通貨の 下落基調は、一部の新興市場国への投資家の信頼喪失によって増幅され ている。ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカのBRICS諸 国は08年の金融危機後の世界経済をけん引したが、今や新興市場は一転 して金融安定化への脅威となった。

新興市場めぐる不安

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの債券ストラテジスト、 ケビン・フラナガン氏(ニューヨーク州パーチェス在勤)は「新興市場 や中国をめぐる不安から、市場心理は再び質への逃避に傾いている」と 指摘。「多くの投資家が今年の利回り上昇を予想していた。今回の動き には驚かされている」と続けた。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) の共同創業者であるビル・グロース氏はツイッターへの投稿で、「世界 的にヘッジおよびリスク回避の動きが顕著で、資金が新興市場から流出 し先進国に戻ってきている」と記した。

ルー米財務長官は23日、世界経済フォーラム(WEF)年次総会 で、議会に対し連邦債務上限を可能な限り早期に引き上げるようあらた めて求めた。また特別措置は2月遅くに尽きると述べた。

1カ月物TBのレートはこの日0.07%と、終値ベースで11月29日以 来の高水準。3カ月物TBのレートも0.07%に上げ、今月7日以来の高 水準となった。

原題:U.S. Yields Decline on Emerging-Market Losses; Bill Rates Rise(抜粋)

◎NY金:続伸、週間ベースでは2012年9月以来最長の連続高

ニューヨーク金先物相場は続伸。週間ベースでは過去16カ月で最長 の連続上昇となった。世界的な株価下落で代替投資としての金買いが活 発化した。

商品ブローカー、インフィニティ・トレーディング(インディアナ ポリス)のフェイン・シェーファー社長は電話インタビューで、「安全 資産への逃避の動きだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.2%高の1オンス=1264.50ドルで終了。週間では1%高 と、2012年9月以降で最長の5週連続上昇。一時は1273.20ドルと、中 心限月としては昨年11月20日以来の高値をつけた。

原題:Gold Posts Longest Run of Weekly Gains Since September 2012(抜粋)

◎NY原油:5日ぶり反落-新興市場の成長減速を懸念

ニューヨーク原油相場は5営業日ぶりに反落。新興国の経済成長ペ ースが鈍化し、燃料消費が減少するとの懸念が広がった。新興国経済を めぐる懸念から、この日は株式相場も下げた。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「新興 市場の先行き懸念が需要家のセンチメントを圧迫している」と指摘。 「状況は非常に不安定で、あらゆる市場に影響が出ている」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比68セント(0.7%)安の1バレル=96.64ドルで終了。前日は97.32ド ルと、年初来高値で終了していた。

原題:WTI Oil Falls First Time in Five Days on Emerging-Market Outlook(抜粋)

◎欧州株:6月以来の大幅安、新興市場を警戒-週ベースでも下落

24日の欧州株式相場は下落。指標のストックス欧州600指数は昨年 6月以来の大幅安となり、週間ベースでの下げ幅を広げた。米当局の量 的緩和縮小が経済成長を損ねるとの懸念が強まる中、新興市場通貨の急 落の影響を見極めようとする動きが広がった。

スペインのビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA) は5.1%安。同行のトルコやアルゼンチンへのエクスポージャーが利益 に悪影響を与えるとの懸念が強まった。スイスの製薬会社ノバルティス は3%安。アバディーン・アセット・マネジメントは5.7%下げた。同 銘柄の投資判断をモルガン・スタンレーが引き下げた。

ストックス欧州600指数は前日比2.4%安の324.75で終了。前週末比 では3.3%下げた。新興市場株は週間ベースでの下落幅を広げ、中国需 要に依存する資源輸出国の通貨は5年ぶりの大幅安となった。

PFAアセット・マネジメント(コペンハーゲン)のシニアストラ テジスト、ウィトルド・バーク氏は「株式相場は年明け後としてはここ 数年で最悪となった。非常に好調だった1年の後、投資家らは売る理由 を探している」と語った。

24日の西欧市場では、18カ国全てで主要株価指数が下落。英 FTSE100指数は1.6%安となった。独DAX指数は2.5%、仏 CAC40指数は2.8%それぞれ下げた。ブルームバーグがまとめたデー タによれば、この日の売買高は30日平均を46%上回った。

原題:European Stocks Tumble as Emerging-Market Currencies Retreat(抜粋)

◎欧州債:ドイツ10年債利回り、5カ月ぶり低水準-新興国懸念で

24日の欧州債市場では、ドイツ国債の10年物と30年物の利回りが昨 年8月以来の低水準まで下がった。新興国市場の成長減速懸念から、域 内で最も安全とされる同国債の需要が高まった。

ドイツ10年債は週間ベースでは4週続伸と、4月以降で最長の値上 がり局面となった。一方でこの日は、ギリシャとスロベニア国債が下 落。新興国市場の減速兆候で世界的に株安となったことが背景。高利回 り資産を求める動きが後退し、スペインとイタリアの10年債は4日続落 した。

コメルツ銀行の金利ストラテジスト、ライナー・ギュンターマン氏 (フランクフルト在勤)は「リスク回避に流れが動きつつあるようなた め、ドイツ国債が上げている」とし、「新興国から幾つかの悪いニュー スが出ているほか、投資家らは米緩和縮小が及ぼす影響について考えて いる」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比5ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.66%。一時は1.64%まで 下げ、昨年8月5日以来の低水準となった。今週は10bp下げた。同国 債(表面利率2%、2023年8月償還)価格はこの日、0.45上げ102.99。

30年債利回りは一時6bp下げ2.55%と、昨年8月13日以降の最低 を付けた。2年債利回りは11月22日以来の低水準となる0.11%に低下し た。

英国債相場も上昇し、10年債利回りは4bp低下の2.77%となっ た。一時は2.73%と、昨年11月27日以来の低水準を付けた。同国債(表 面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.3上げ95.661。

原題:German Yields Reach 5-Month Low on Haven Bid as Greek Bonds Drop(抜粋) Pound Drops as Carney Says Currency’s Advance May Hamper Exports (抜粋)

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