米国債(24日):続伸、10年債利回りは8週ぶり低水準

米国債相場は続伸。10年債利回りは 8週ぶり低水準を付けた。新興市場をめぐる不安から逃避先として米国 債の需要が高まった。

10年債は週間ベースで4週続伸と、昨年4月以降で最長の連続高と なった。前日は中国の製造業活動の縮小が示されたほか、アルゼンチ ン・ペソが2002年以来の大幅安となり、トルコ・リラは過去最安値に下 落。そうした状況を手掛かりに米国債は上昇した。米連邦公開市場委員 会(FOMC)は来週会合を開催する。また財務省は期間2年の変動利 付債の入札を実施する。財務省短期証券(TB)のレートはこの日上 昇。1カ月物TBのレートは11月29日以来の高水準を付けた。

グッゲンハイム・セキュリティーズの米政府債トレーディング担当 マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「米国債市場は、 新興市場をめぐる懸念や株式市場での大量の売りに不意打ちを食らった 格好だ」と分析した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時7分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の2.72%。一時2.70%と、11月26日以来の水準に 下げた。同年債(表面利率2.75%、2023年11月償還)価格は17/32上げ て100 9/32。

月間での動き

米国債はこのままいけば、月間ベースでは2012年5月以降で最大の 上げとなる。FOMCが12月に債券購入の100億ドル縮小を決定したも のの、相場は上昇している。ブルームバーグ米国債指数によると、米国 債の月初来リターンは前日までの段階でプラス1.2%。前月はマイナ ス1.1%だった。

30年債と5年債の利回り格差は2.09ポイントと、9月以降での最小 記録に接近した。過去1年間の平均は2.28ポイント。11月には2.54ポイ ントと、ここ2年で最大に広がった。通常、イールドカーブの平坦化は 経済成長の減速予想を反映する。

昨年米金融当局が量的緩和の縮小を示唆して以来の新興市場通貨の 下落基調は、一部の新興市場国への投資家の信頼喪失によって増幅され ている。ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカのBRICS諸 国は08年の金融危機後の世界経済をけん引したが、今や新興市場は一転 して金融安定化への脅威となった。

新興市場めぐる不安

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの債券ストラテジスト、 ケビン・フラナガン氏(ニューヨーク州パーチェス在勤)は「新興市場 や中国をめぐる不安から、市場心理は再び質への逃避に傾いている」と 指摘。「多くの投資家が今年の利回り上昇を予想していた。今回の動き には驚かされている」と続けた。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) の共同創業者であるビル・グロース氏はツイッターへの投稿で、「世界 的にヘッジおよびリスク回避の動きが顕著で、資金が新興市場から流出 し先進国に戻ってきている」と記した。

ルー米財務長官は23日、世界経済フォーラム(WEF)年次総会 で、議会に対し連邦債務上限を可能な限り早期に引き上げるようあらた めて求めた。また特別措置は2月遅くに尽きると述べた。

1カ月物TBのレートはこの日0.07%と、終値ベースで11月29日以 来の高水準。3カ月物TBのレートも0.07%に上げ、今月7日以来の高 水準となった。

原題:U.S. Yields Decline on Emerging-Market Losses; Bill Rates Rise(抜粋)

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