IMF篠原氏:物価目標2%達成は2017年を想定-追加緩和は必要なし

国際通貨基金(IMF)の篠原尚之 副専務理事は日本銀行が掲げている物価安定目標2%の実現時期につい て2017年を想定していると述べた。その上で、日本銀行が想定している 2年間で達成できなくても追加緩和の必要はないとした。24日午後、ブ ルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。

篠原氏は「2年で2%になる必要は必ずしもない。だんだん2%に 近付いていくというシナリオが合っている限り、追加の緩和は必要な い」と述べた。一方、賃金上昇や輸出回復、民間投資に波及しない場合 は「プランBが考えられないわけではない」と、追加緩和の必要性が生 じる可能性も指摘。目標達成のリスクを注視する必要性を強調した。

篠原氏は今年4月の消費税引き上げに伴う下振れの可能性につい て、今年度補正予算による5兆円規模の財政支出で「ほとんどオフセッ トする。消費増税による下振れリスクは大きいとは到底思えない」と指 摘。第1四半期は前期比でマイナスになる可能性を指摘しながらも、年 ベースでみると大きな落ち込みにならないとの見通しを示した。

黒田東彦日銀総裁は昨年4月、2年間を念頭に2%の物価安定目標 を達成するとした「量的・質的金融緩和」を導入。昨年11月の消費者物 価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)は前年同月比1.2%上昇と6カ 月連続で上昇し、伸び率は08年10月以来の水準となった。

円の減価は問題ない

篠原氏は量的緩和の出口政策について「2%程度のインフレ率が定 着する見通しがあれば考えるべきだ。超金融緩和を続ければ金融市場へ のネガティブな影響は避けられない」と言明。さらに15年までの消費税 率10%引き上げを実現し、その後の財政赤字削減に向けた中期的な財政 再建を示さなければ「金利急騰のリスクが大きくなる」と述べた。

大規模な量的緩和を背景とした円安について、IMFは昨年5月の 日本経済に関する審査(対日4条協議)後の声明で「デフレから確実に 脱却するための重要かつ歓迎すべき日銀の取り組みを踏まえて理解され なければならない」と指摘。その上で、「金融緩和が国内の目標を追求 している限り、円の減価の問題があるとは考えていない」とした。

篠原氏は「実質為替レートはその後も大きな変化はないことから声 明の内容を変更する必要はない」とした上で、これだけの円安はアベノ ミクスだけではなく、米国の経済が強くなり、同国の金融政策が変わり つつある影響も強いとの認識を示した。

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