NY外為:円とフランが上昇-新興市場通貨安で逃避需要

ニューヨーク外国為替市場では円と スイス・フランが上昇。新興市場国通貨が一段と売られ、円とフランに 逃避需要が集まった。

円は世界174通貨のうち2通貨を除くすべてに対して上昇。中国の 信用リスクをめぐる懸念が強まり円需要を支えた。アルゼンチン・ペソ は世界で4番目にパフォーマンスが悪かった。アルゼンチンは外為市場 での買い支えを減らしてペソを事実上切り下げ、ペソは前日に13%急落 した。ドルは米金融緩和の縮小が続くとの思惑を背景に底堅く推移し た。トルコ・リラは過去最安値に下げ、ロシア・ルーブルは5年ぶり安 値となった。

チャプデレーン(ニューヨーク)の為替責任者、ダグラス・ボース ウィック氏は「リスクを敬遠する展開だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで0.9%高の1ドル =102円31銭。一時は12月6日以来の高値となる102円ちょうどをつけ た。円は対ユーロでは1%上昇して1ユーロ=139円98銭。スイス・フ ランは対ドルで0.3%上昇して1ドル=89.45サンチーム。対ユーロで は0.4%高の1ユーロ=1.2235フラン。

トレーダーや投資家は混乱が主要先進諸国にも波及するかどうかを 見極めようとしている。先進国と新興国の外為市場でのボラティリティ ーを示す指数の格差は9月以来での最大となった。

JPモルガン・チェースの指数によると、主要新興国7カ国の3カ 月物インプライド・ボラティリティ(IV、予想変動率)は9.78%と10 月3日以来の高水準。先進国は同8.34%と3週ぶりの高水準だった。

新興市場国通貨

ウクライナやタイでの反政府デモ行動やトルコでの贈収賄疑惑をめ ぐる調査などを背景に政治的安定への投資家の信頼感が揺らぎ、新興市 場国通貨は下落した。

アルゼンチン・ペソは対ドルで1.5%安。前日は12年ぶりの大幅安 だった。同国中銀が相場維持の取り組みを後退させたことに反応した。 トルコ・リラは対ドルで1.9%下落。

BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の均 等加重の通貨バスケットは93.7と、9月5日以来の低水準だった。

中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は地域の支部に対し、石炭業 界の信用リスクの精査強化を指示した。事情に詳しい関係者2人が明ら かにした。関係者によれば、銀監会がこうした警告を出すのは銀行に著 しいリスクを突き付けると判断した場合であり、定期的には行わない。

ドルへの恩恵

UBSの新興市場クロスアセット戦略責任者、バーヌ・バウェジャ 氏は「新興市場の問題はドルに恩恵をもたらすはずだ」と述べ、「市場 では短期ローン返済のドル需要があるのかもしれない。これからは借り 換えではなく返済が求められるだろう」と続けた。

ドルは主要通貨の大半に対して上昇した。経済成長の減速を示唆す る経済統計が発表されているにもかかわらず、来週の米連邦公開市場委 員会(FOMC)会合では緩和策の縮小が決定されるとみられている。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値によると、 FOMCは毎回の会合で資産購入額を100億ドルずつ引き下げ、年内に は終了する。

ドルの主要取引16カ国通貨のうち、円は年初から2.9%上昇と、最 高のパフォーマンスだ。昨年の円は18%下落して、主要10カ国(G10) 通貨の中で最も下げた。ユーロは年初から0.5%下げている。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏は「新興市場通貨の弱さが円やフランなど伝統的な安全逃避先であ るG10通貨の上昇に貢献しているようだ」と述べ、「最近の値動きから は影響が波及する恐れはまだ消えていないことが分かる」と続けた。

原題:Yen Rallies With Franc as Havens Amid Rout in Emerging Markets(抜粋)

--取材協力:Anchalee Worrachate、John Detrixhe. Editors: Kenneth Pringle, Greg Storey

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