【日本株週間展望】反発、ゴルディロックス期待-決算選別も

1月最終週(27-31日)の日本株 は、4週ぶりに反発しそうだ。世界経済の回復、為替の円安・ドル高基 調の継続期待が根強い上、年初からの調整一巡感も加わり、週間ではこ としに入って初めて上昇する可能性が高い。企業の決算発表も本格化す るため、好業績銘柄への選別投資も押し上げ要因になる。

BNPパリバ・インベストメント・パートナーズの清川鉉徳運用本 部長は、「世界的に景気が拡大しながら、金融緩和的な状態も共存する 『ゴルディロックス(適温経済)』は当面続く、との楽観的な見方がマ ーケット・コンセンサス」と指摘。リスクを取る動きが再び広がり、 「ドル高と日本株高の同時進行が見込まれる」と言う。

1月20-24日の週の日経平均株価は、前週末に比べ2.2%安の1 万5391円56銭と3週続落。中国の製造業購買担当者指数(PMI)が製 造業活動の拡大・縮小の境目である50を半年ぶりに下回り、これをきっ かけに週後半に崩れ、昨年12月17日以来の安値水準に沈んだ。

中国のほか、アルゼンチンなど新興国に対する懸念が足元広がり始 めたが、一方で先進国を中心とした世界経済の回復期待が根強いのも事 実だ。国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済予測で、ことしの世界 経済の成長率見通しを昨年10月時点から0.1ポイント引き上げ、3.7%と 予想した。国別では米国を2.8%(10月時点では2.6%)、日本を1.7% (同1.2%)、中国を7.5%(同7.3%)に見直し、先進国については景 気回復を確実にするため、緩和的な金融政策を維持すべきとした。

FOMC、緩和縮小を継続か

日本銀行の黒田東彦総裁は、量的緩和策の現状維持を決めた22日の 金融政策決定会合後の会見で、「海外経済を中心に下振れリスクはこれ までより低下してきている」と発言。また、世界経済フォーラム年次総 会(ダボス会議)で基調講演を行った安倍晋三首相は、さらなる法人税 改革や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のポートフォリオ 見直し方針に言及。日本経済については、今春の賃金上昇で消費が伸び る、との見通しも示した。

米国では、28-29日に連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市 場委員会(FOMC)を開く。昨年12月17-18日の前回会合では、債券 購入額を月850億ドルから750億ドルに今月から縮小する方針を決めた。 低調な12月の雇用統計を背景に、一部では政策据え置きの可能性が指摘 されるものの、ブルームバーグが実施したエコノミスト調査によると、 米金融当局は毎回の会合で100億ドルずつ減額し、年内に債券購入策を 終了すると予想されている。

BNPパリバの清川氏は、「米国株が大崩れしない限り、米金融当 局は量的緩和の縮小を粛々と続ける」との見方だ。対照的に、日本では 先々の追加金融緩和に対する思惑が根強く、「日米の金利差は拡大に向 かい、円安・ドル高、日本株の上昇につながりやすい」と言う。

国内決算発表が本格化

国内外で経済統計の発表も相次ぐ。国内では、27日に昨年12月の貿 易収支、31日には家計調査や消費者物価指数などが予定され、米国で は27日に12月の新築住宅販売件数、28日に12月の耐久財受注や1月の消 費者信頼感指数、30日に10-12月期の国内総生産(GDP)、31日に12 月の個人所得・個人支出の公表がある。また、中国の金融市場は春節 (旧正月)のため、31日から2月6日まで休場となる。

ミクロ面では、米企業に続き国内企業の13年4-12月期決算の発表 が本格化する。個別の業績内容により、銘柄間での濃淡が浮き彫りとな りそうだ。大和証券投資戦略部の鈴木政博シニア・クオンツ・アナリス トは、アナリストによる四半期コンセンサス予想がない好業績銘柄で、 通期経常利益の上振れ期待が大きいと分析。清水建設、住友大阪セメン ト、TOTO、パナソニック、デンソー、川崎汽船、東京海上ホールデ ィングスなどを注目株に挙げる。

28日に信越化学工業や日立建機、29日にヤフーやコマツ、京セラ、 任天堂、三井住友フィナンシャルグループ、30日はJT、オリエンタル ランド、新日鉄住金、東芝、野村ホールディングス、31日には三越伊勢 丹ホールディングス、資生堂、ファナック、ホンダ、日本郵船、みずほ フィナンシャルグループ、日東電工、村田製作所などが発表予定だ。

都知事選リスク、先物警戒も

一方、東京都知事選が23日に告示され、選挙戦が始まった。投開票 日は2月9日。「メインシナリオは、自民党が支援する舛添要一候補の 当選と考える」というのはメリルリンチ日本証券の神山直樹チーフスト ラテジスト。ただ、小泉純一郎元首相が脱原発を掲げる細川護煕元首相 を支持、混戦も予想され、「将来にわたる原発ゼロの可能性は、エネル ギーコストの上昇リスクとして日本株の懸念材料」とも指摘する。

米商品先物取引委員会(CFTC)の週間建玉報告によると、ヘッ ジファンドなど大口投資家の円のネットショート(売り越し)は14日時 点で11万8000枚。売越幅は3週連続で縮小したが、過去1年の平均(8 万7000枚)を36%上回る。また、日本株の裁定買い残は直近で3兆7230 億円と、アベノミクス相場初期の12年末と比べ約8割多い。何らかのき っかけで市場参加者の楽観ムードが後退すれば、持ち高解消の動きが加 速し、日本株は先物主導で下げを拡大させる可能性もある。

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