アルゼンチンで国債デフォルト懸念が再燃-停電頻発し略奪横行

アルゼンチンの首都ブエノスアイレ スの商業地区で食料品店を営むドミンガ・カナサさんが神経をすり減ら しているのは、物価高騰や1週間にわたる停電、略奪行為の全てが重な ったからだ。

カナサさん(37)は先月のうだるような暑さの日に、店の金属製シ ャッターを全開するのをためらい、通行人にソーダを販売できる程度し か開けなかった。「怖かったからだ」とカナサさんは言う。

隣接するコルドバ州で、賃上げを求める警官のストライキで警備が 手薄になった隙をみて略奪が始まり、ブエノスアイレスの郊外にも波 及。カナサさんの店の近隣でも動揺が広がった。こうした無秩序な状況 は2001年の950億ドル(現在のレートで約9兆8200億円)のアルゼンチ ン国債デフォルト(債務不履行)後の暴動以来経験したことのない規模 だとカナサさんは話す。

国債デフォルトから13年が経過した中、フェルナンデス大統領には 新たな危機を回避する時間はなくなりつつある。政府統計では昨年のイ ンフレ率は11%弱だったが、大統領による圧力で政府統計と相反する内 容の物価統計について沈黙させられているエコノミストの予想を明らか にしている野党議員によると、28%に達したという。

ペソは過去2日間で13%下落し、過去最安値1ドル=7.8825ペソを 付けた。アルゼンチンの中央銀行はペソ相場の下支え策を縮小してお り、過去1年間では35%余り値下がりした。国債デフォルト後の通貨切 り下げ以来最大の急落で、世界でこれを超える通貨下落に見舞われたの は戦争で疲弊したシリアとイランだけだ。

フェルナンデス大統領にとって最大の金融問題は外貨準備の減少。 外貨準備は過去3年間で44%減少し295億ドルに落ち込んだ。国際資本 市場から依然締め出されたまま、ヘッジファンド運用者ポール・シンガ ー氏とのデフォルト債をめぐる訴訟が続くアルゼンチンにとって、外貨 準備は債務再編に応じた300億ドル相当の国債の保有者への支払いの主 要財源。他の外貨債務を合わせると、債務は500億ドルに膨らむ。

投資家はデフォルト再発の可能性に備えている。同国のドル建て債 の平均利回りは12.4%で、主要新興国ではベネズエラに次ぐ高い水準。 アルゼンチン債のデフォルトに備えるクレジット・デフォルト・スワッ プ(CDS)の取引は、向こう5年で同国の支払いが79%の確率で滞る との見方を反映した動きとなっている。

原題:Argentine Default Chaos Relived as Blackouts Follow Looting (2)(抜粋)

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