円が底堅い、新興国懸念でリスク回避圧力-対ドルで103円台前半

東京外国為替市場では円が底堅く推 移した。中国の景気悪化や新興国に対する懸念がくすぶる中、日本株の 下落を背景にリスク回避に伴う円買い圧力がかかりやすい状況が続い た。

午後3時20分現在のドル・円相場は1ドル=103円28銭前後。朝方 はやや円売りが先行し、一時103円59銭まで水準を切り上げたが、午後 に日本株が下げ幅を拡大すると徐々に円買いが強まり、一時103円09銭 を付けた。23日の海外市場では米国株の下落や米長期金利の低下を背景 に一時102円98銭と13日以来の水準までドル安・円高が進んでいた。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、 輸入企業の決済が集中しやすい週末前の五十日(ごとおび)で、日本株 の下落も予想の範囲内ということで、朝方は「短期勢がバーゲンハンテ ィング(押し目買い)」が出ていたもようだが、「引き続き中国の旧正 月前のポジション調整があり、エマージング市場を含めて米連邦公開市 場委員会(FOMC)までは注意が必要」と話していた。

24日の東京株式相場は続落。日経平均株価は午前に下落幅を縮小す る場面があったものの、午後は一段安となり、一時400円超下げた。

ユーロ・円相場は1ユーロ=141円台前半から一時141円77銭まで円 売りが進んだが、午後は円買いが優勢となり、141円15銭まで値を下げ た。

新興国懸念

英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが23日 発表した1月の中国製造業の指数は49.6と、昨年12月改定値(50.5)か ら低下しただけでなく、事前予想を下回った。製造業活動の拡大と縮小 の境目を示す50を下回るのは6カ月ぶり。

中国景気への懸念から、23日の株式市場ではアジア株に続いて欧州 株や米国株も下落。米ダウ工業株30種平均は1カ月ぶり安値を付けた。

一方、外国為替市場では新興国通貨売りが加速した。トルコ中央銀 行は23日、通貨リラを防衛するため約2年ぶりの予定外介入に踏み切っ たが、リラの下落は止まらず、対ドルでは2%下げて過去最安値を更新 した。アルゼンチン・ペソは同日、同国中銀が相場維持の取り組みを後 退させたことに反応し、対米ドルで12%安と12年ぶりの大幅下落となっ た。

三菱東京UFJ銀行の武田紀久子シニアアナリスト(ロンドン在 勤)は、「こうした荒れ相場になるのであれば、いわゆるリスク回避の 円買い的な反応が出てしまうことも否めない」と指摘。また、新興国市 場の混乱は「米国の出口戦略もせいせいと進められるのかが分からなく なるという話でもある」とし、今年のリスクは「新興国と先進国の景気 回復のモメンタムが逆転していること」と語った。

ユーロ

FOMCは来週28、29日に会合を開き、2月1日にイエレン氏が米 連邦準備制度理事会(FRB)議長に就任する。

一方、ユーロ・ドル相場は海外時間に付けた14日以来のユーロ高値 の1ユーロ=1.3698ドルに並ぶなど、高値圏での推移が続いた。

武田氏は、ユーロ圏の回復ペースそのものはまだ力強さに欠けるも のの、「急を要する追加緩和実施というシナリオはちょっと遠のいてい る」と指摘。また、アイルランドに続いてスペインの金融支援も終了 し、「消去法的にユーロは買っておいて良さそうだというストーリーに はなる」と話していた。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、アイ スランドの「BBB-」格付けを確認、見通しをネガティブから安定的 に変更した。

--取材協力:. Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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