ソニーの業績予想引き下げ相次ぐ-年末商戦苦戦とアナリスト

ソニーの今期(2014年3月期)の連 結収益予想を下方修正する証券アナリストが相次いでいる。市場では年 末商戦で同社のテレビやパソコンの売れ行きが芳しくなかったとの観測 が広がっている。

ブルームバーグの集計によると、少なくとも9人のアナリストが過 去2カ月内にソニーの年間収益予想を下方修正した。ブルームバーグ・ データによるアナリスト20人の連結純損益の予想平均は231億円の黒字 と、会社予想の300億円を23%下回る。

テレビやパソコンなどへの需要が減退したことで、平井一夫社長が 推進するエンタメ事業と家電事業の融合、いわゆる「One Son y」戦略に対するプレッシャーが高まっている。予想外の7-9月期の 損失を経て、平井社長はテレビ事業の追加見直しなど、より踏み込んだ 再建策を求められる可能性がある。

「われわれの年末商戦調査によるとテレビ、カメラ、ノートパソコ ンの販売が弱かった」とハドソン・スクエア・リサーチのアナリスト、 ダニエル・アーンスト氏。「ソニーにとって今年は成長を示すのが非常 に難しい年になるだろう」と電子メールでコメントした。

ゴールドマン・サックス証券の渡辺崇アナリストはソニーが会社予 想を「下方修正する可能性がある」とみている。渡辺氏によれば、ソニ ーの今期の連結純損益は332億円の赤字が予想されるという。

また、9年間にわたり赤字が続いたテレビ事業の営業損益を今期に 黒字化させるという期初目標も取り下げられる可能性があると渡辺氏。 ソニーは昨年10月に今期のテレビ販売台数を6.7%引き下げていた。バ ンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの予想によると世界のテレビ出荷 額は昨年に11%減の984億ドル(約10兆1800億円)へ減り、3年間連続 の減少となった。

パソコン事業

パソコンの出荷台数は13年に10%減少し、年末商戦では消費者がス マートフォンやタブレットへとシフトしていることを浮き彫りにしたと 調査会社のガートナーとIDCが今月に発表している。ソニーは昨年10 月、パソコン事業で抜本的な構造改革が必要だとして、販売目標を620 万台から580万台へ引き下げた。

パソコン事業からの撤退を決めれば、追加の構造改革費用がかかる 可能性があるため、業績下振れの恐れがあるとメリルリンチ日本証券の 片山栄一アナリストはみている。同社の予想でノートパソコンの世界出 荷台数は14年に3%減り、3年連続での減少となる見通しだ。

「ソニーはパナソニックと違って、事業から完全に撤退するという 決断をしてこなかっただけに、今回の決算は厳しいものになるだろう」 と片山氏は話す。

250万円と高価な高精細4Kテレビを発売するなど、平井社長はテ レビ事業に力を入れる一方、 新据え置き型ゲーム機の「プレイステー ション(PS)4」や世界シェア6位のスマホ「Xperia(エクス ぺリア)」にも注力している。

パナソニックの選択

一方、国内で最大のライバルであるパナソニックは、プラズマテレ ビ事業からの撤退や国内の消費者向けスマホの開発を停止など、津賀一 宏社長の下で構造改革を加速させている。

PS4の出荷台数がマイクロソフトの「Xbox One(エック スボックス・ワン)」を上回るなど記録的に好調である一方、ソニーは スマホなどモバイル事業で韓国のサムスンや米アップルに突き放されて いる。

SMBC日興証券の白石幸毅アナリストはソニーのエレクトロニク ス事業について「テレビやデジタルカメラ、パソコンが会社の予想より 大きく下振れる」恐れがあるとした上で、ソニーもパナソニックが昨年 行ったような改革を実行する可能性があると述べた。

新たな構造改革

白石氏によれば、ソニーは今期の連結営業利益予想を1700億円か ら1200億円に下げ、それと同時に人員削減を含む構造改革を発表する可 能性があるという。

ソニーの大株主である米ファンドのサード・ポイントも、22日付の 投資家向け報告で、「ソニーの成長分野における進展には勇気付けられ る」とした半面、「パソコンとテレビ事業の再編、娯楽事業の価値の顕 在化については一層努力が必要」とした。その上で「昨年、日本の投資 家は果敢にリストラを断行した企業を高く評価したが、ソニーもこれら 企業と同じ道を歩むことが期待されている」と促した。

エンタメ事業では22日、映画部門のソニー・ピクチャーズエンタテ インメント(SPE)が昨年11月に平井社長が表明した2億5000万ドル (約260億円)相当のコスト削減計画を進めるため、人員削減に着手し た。SPEの広報担当、チャールズ・シプキンズ氏によると対象には同 社技術部門のトップのクリス・クックソン氏も含まれるが、対象人数の 詳細は明らかにされていない。

ドイツ証券の中根康夫アナリストは、最新のレポートで「株価の大 幅下落リスクは低いとみるものの、収益的には非常に厳しい状況であ り、同業他社をアウトパフォームすることは当面難しい」と述べた。

ソニーの株価は午前10時10分現在、前日終値比0.5%安の1756円で 取引されている。

ソニーのジョージ・ボイド広報担当は市場での業績見通しに対しコ メントを避けた。同社は2月6日に13年10-12月期の決算を発表する。

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