投資銀行が狙うは起業家-直接取引で将来の利益見据える

米カリフォルニア州パロアルトに本 社を置くサーベイモンキーのデーブ・ゴールドバーグ最高経営責任者 (CEO)は株主から株式を買い取り、非公開企業のままでいたいとい う自身の狙いを理解してくれる出資者を呼び込みたいと考えていたが、 ベンチャーキャピタル業界の伝統的な新興企業への投資家との接触は避 けた。代わりに頼ったのは全く異なるタイプのアドバイザー、米銀JP モルガン・チェースだ。

普段は数十億ドル規模の合併・買収(M&A)案件を担当する投資 銀行部門副会長のジミー・リー氏は、ゴールドバーグCEOの選択肢に ついての意見交換するためニューヨークからパロアルトに飛んだ。同 CEOはその後、JPモルガンを起用。昨年完了した8億ドル(約840 億円)規模の資本増強の一環としてのシンジケートローン(協調融資) 3億5000万ドル供与を同行が中心となって取りまとめた。

ゴールドバーグCEOはインタビューで、「企業規模を見れば、サ ーベイモンキーは通常リー氏が手掛けるような相手ではないだろう」と 語った。同CEOの夫人は、フェイスブックのシェリル・サンドバーグ 最高執行責任者(COO)だ。

資本増強には同CEOとタイガー・グローバル・マネジメント、グ ーグルへの計4億4400万ドル相当の株式売却も盛り込まれ、資本基盤が 強化されたサーベイモンキーの評価額は13億5000万ドルとなった。

JPモルガンやバンク・オブ・アメリカ(BOA)、クレディ・ス イス・グループなどのウォール街の投資銀行は、テクノロジー業界でま だ株式公開していないべンチャー企業への関心を強めている。特にシリ コンバレーの企業が中心だ。

大型報酬に期待

モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックス・グループなどと いった金融機関はベンチャーキャピタリストや起業家との関係を長い時 間をかけ培い、その後に新規株式公開(IPO)やM&Aを担当するこ とで手数料を稼いできたが、多くの銀行は最近、手掛けるサービスの範 囲を拡大している。テクノロジーチーム強化や起業家を対象とした招待 者限定の会議の開催に加え、ベンチャーキャピタル分野の分析を始めた り、ベンチャー企業向けファイナンスや与信拡大のためにバランスシー ト活用などに取り組んだりしている。

株式公開に至るまで長い時間をかける新興企業が増えていることが 背景だが、そうした中で優良な企業が最終的に株式公開したり身売りし たりすれば、銀行側の取り組みへの報酬がより大きくなるとの算段もあ る。リー氏はインタビューで、「テクノロジー業界は成長が最も急速 で、世界の隅々まで影響が及ぶセクターだ。世界中のどんな投資銀行事 業にとっても優先対象だ」と述べた。

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