ダボス恒例のバンカー批判-金融市場は安全になっていない

金融危機から5年余りたつが、バン カーたちは依然として、金融市場がより安全になったと世界のエリート たちに納得させることができない。

バンカーと批判勢力との応酬は世界経済フォーラム(WEF)年次 総会の恒例行事となった。今年はバンカー側から参加したHSBCホー ルディングスのダグラス・フリント会長とバークレイズのアントニー・ ジェンキンス最高経営責任者(CEO)が22日、富豪のヘッジファンド 運用者ポール・シンガー氏とスタンフォード大学のアナト・アドマティ 教授の批判にさらされた。

240億ドル(約2兆5000億円)規模のヘッジファンド会社エリオッ ト・マネジメントを率いるシンガー氏は「一部の指標の少しばかりの改 善と、官民の中途半端な取り組みで、それほど安全になるはずはない」 とした上で、「投資家は大手金融機関の財務状況を理解することができ ないため、次の金融危機が訪れても自力で乗り切ることはできない」と 述べた。また、銀行は依然、政府の補助金を受けている状態だとも指摘 している。

アドマティ教授は、危機後に実践された改善措置を制限時速90マイ ル(約145キロ)の道路での5マイルの減速にたとえ、銀行の過剰な借 り入れと不十分な透明性が引き続き脅威だと論じた。

フリント、ジェンキンス両氏は、金融システムはより安全になって いると反論。フリント氏は銀行の資本が危機前の3-6倍になっている と指摘。また銀行に有利な金利が補助金になっているとするならば、銀 行は低コストの信用供与によってそれを社会に還元していると述べた。 ジェンキンス氏は危機を体験した自分たちが去った後のため、「大規模 な変化を通じてアニマルスピリット(野心的意欲)を封じ込める方法を 見いだすことが必要だ」と語った。

原題:Davos Bankers Struggle to Convince Elite That Markets Are Safer(抜粋)

--取材協力:Jana Randow、Howard Mustoe. Editors: Edward Evans, Steven Crabill

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