流出文書が暴く中国エリートの隠し資産-欧米企業が手助け

中国のエリート 層は富を隠し持つため、英領バージン諸島やサモアといったタックスヘ イブン(租税回避地)の秘密のオフショア企業を利用しており、その中 には習近平国家主席の義兄も含まれている-。

こう指摘するのはワシントンに本部を置く国際調査報道ジャーナリ スト連合(ICIJ)だ。ICIJのウェブサイトは今、中国では閲覧 ができなくなっている。欧州や北米、アジアの記者の協力を得て ICIJは2つのオフショアファンド、ポートカリス・トラストネット (シンガポール)とコモンウェルス・トラスト(英領バージン諸島)か ら流出した文書を調査した。

文書はICIJが入手しメディア関係者が分析した250万ものファ イルの一部で、香港と中国本土に住所のあるオフショア顧客2万2000人 近くの情報を網羅。他にも台湾の1万6000人など、世界中に顧客がいる ことを示している。

ICIJのウェブサイトに掲載された文書の中には、「一部の推計 によれば、2000年以降で1兆-4兆ドル(約105兆-418兆円)の出所不 明の資金」が中国国外に流出しているとの説明がある。

ICIJの入手記録は、習主席の姉の夫と不動産開発業者が折半出 資する英領バージン諸島登記の不動産会社の詳細にも触れている。この 不動産開発業者の資産についてはブルームバーグ・ニュースが調査を通 じ12年に最初に報じていた。

銀行と会計事務所

中国共産党の総書記でもある習主席は、腐敗がはびこれば共産党の 正当性が失われると警告、広範な反汚職キャンペーンを展開している。 中国トップの座に就く前の04年には、公務員や党員に対し「配偶者や子 供、親戚、友人、職員の規律を正し、個人的な利益のために権力を乱用 しないことを誓う」よう戒めた。

流出文書には温家宝前首相の息子、温雲松氏のオフショア資産保有 についての情報もある。温雲松氏はクレディ・スイスの香港拠点の支援 を受け、英領バージン諸島の登記企業トレンド・ゴールド・コンサルタ ンツを父親が首相在任中の06年に設立。この会社は08年に解散されたよ うだとICIJは分析している。

ICIJによれば、胡錦濤前国家主席や李鵬元首相、さらに改革開 放路線を主導した故・鄧小平氏を含めた歴代の中国首脳の親族はオフシ ョア資産を保有している。

クレディ・スイスの他にも、会計事務所プライスウォーターハウス クーパース(PwC)は中国と香港、台湾からの顧客のために400を超 える事業体の登記を支援したとされ、UBSも中国・香港・台湾の顧 客1000人以上のために同様の便宜を図ったという。「英領バージン諸島 やサモアといった一般的に隠し資産と関連するオフショアセンターでの 信託や企業の設立で、中国人顧客への支援の仲介者として重要な役割を 果たしているのは欧米の銀行と会計事務所だ」と流出文書は指摘してい る。

原題:China’s Elite Wealth in Offshore Tax Havens, Show Leaked Files(抜粋)

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