中国人民銀の周総裁のジレンマ-市場混乱は避けられない頭痛か

中国人民銀行(中央銀行)の周小川 総裁は金融市場のボラティリティ(変動性)を抑制しようとしている が、その過程で1つの障害に直面している。金利自由化という自身が掲 げた計画だ。

中国短期金融市場の指標金利は、人民銀が今週420億ドル(約4 兆4000億円)余りの流動性を供給したにもかかわらず、依然として1月 の平均を上回っている。周総裁が計画している金利規制撤廃が、相場変 動抑制を厄介なものにしている可能性がある。

中国の金融改革を指揮するために昨年続投が決まった周総裁は、よ り持続可能な市場主導型の経済成長モデルの実現に向けて金利自由化に 取り組んでいる。改革の進展があまりに緩慢であれば、規制の網にかか らないシャドーバンキング(影の銀行)に伴う危機が高まる恐れがあ る。一方で自由化の進め方を誤れば、過剰投資のほか、韓国やスウェー デン、米国などで金利自由化の際に見られたような混乱を引き起こすリ スクがある。

クレディ・スイス・グループで日本を除くアジア地域担当チーフエ コノミストを務める陶冬氏(香港在勤)は、「中国はジレンマを抱えて いる。金利が自由化されなければシャドーバンキングが大変な勢いで広 がってしまう。自由化すれば既存の債務をめぐる問題が深刻化する」と 述べた。

周総裁は今月66歳になる。これまで11年間総裁を務め、歴代最長記 録を更新中だ。中国は「市場原理に基づいた金利を中期的に完全に実現 する」と昨年11月に記している。

中国共産党の中央財経領導小組弁公室の方星海氏は同月、国内の小 規模銀行1、2行が2014年に破綻するかもしれないと述べた。短期の借 り入れへの依存の大きさが経営を圧迫するという。中国社会科学院の張 明研究員は今週、信託とシャドーバンキングで今年デフォルト(債務不 履行)が発生すると予想し、それは良いことだとの認識を示した。

TCWグループのアナリスト、デービッド・ロービンガー氏は「高 水準で変動の大きい金利やデフォルトは、中国の金融システムにストレ スが加わっていることを示す。しかしこれは、必要な薬が投与されてい ることも表している」と指摘。「喫煙者がたばこをやめようとしている のと同じように、低コストの信用供与への依存を強めていた経済は、レ バレッジを解消する上で頭痛を避けることはできない」と述べた。

原題:Zhou Easing China Rate Controls Risks Turmoil He Seeks to Tame(抜粋)

--Kevin Hamlin, 取材協力:Shai Oster、Xin Zhou、Nerys Avery. Editors: Scott Lanman, Paul Panckhurst

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