円全面高に転じる、中国指標悪化でアジア株安-リスク回避

東京外国為替市場で円相場は、午後 の取引で反発し、全面高となった。中国の製造業関連指数が悪化し、日 本株を含むアジア株が全般的に安く推移したことから、リスク回避の円 買い圧力が強まった。

午後3時26分現在の円は、主要16通貨全てに対して前日の終値を上 回っている。ドル・円相場は1ドル=104円31銭付近。一時は104円28銭 を付けた。朝方は、米国の金融緩和縮小観測を背景に、16日以来の水準 となる104円84銭までドル高が進んでいた。しかし、午後に入って日経 平均株価が下落に転じるなど、アジア株の下落基調が鮮明になるにつれ て、円買いが優勢となった。

楽天証券の相馬勉債券事業部長は、「株が高いと円安になり、安い と円高」になり、株と円相場の動きがほぼ連動していると説明。その上 で、中国の指標が悪かったところがリスク回避の材料になったとして、 当然「株売り・円高」ということになると話していた。

英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスがこの 日発表した1月の中国製造業購買担当者指数(PMI)速報値は49.6と 昨年12月の50.5から低下。市場予想の中央値50.3も下回った。日経平均 は安倍晋三首相が法人税改革に着手する意向を示したことなどを背景に 続伸して取引を開始し、午前には上げ幅が一時100円を超えていたが、 中国の同指標の発表後は伸び悩み、午後には下落幅を広げた。

安倍首相は22日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で基 調講演を行い、日本の法人課税の在り方について「国際相場に照らして 競争的なものにしなければならない」と言明。また、菅義偉官房長官は この日午前の会見で、法人実効税率を引き下げることが望ましいとの見 解を示した。

米緩和策縮小期待

米国では来週29日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。 昨年12月の雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場の予想を大幅に 下回ったことを背景に、一部では政策据え置きの可能性が指摘される半 面、100億ドル規模の緩和策縮小を見込む市場関係者の声は依然として 残っている。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は8営業日続伸し、 一時は1037台に乗せ、2営業日ぶりの高水準で推移している。

ユニオン・バンクのトレーダー、白井万雄氏(ロサンゼルス在勤) は、日本の金融政策について「一時休憩を取っているような感じで、何 も起こっていないのが現状」と指摘した一方、来週のFOMCが注目さ れていると話していた。「100億ドルの緩和縮小をするのか、政策を据 え置くのか」が焦点だとし、ドル・円相場はしばらく104円台半ばを挟 んでの展開を見込んでいる。

日本銀行は22日の金融政策決定会合で政策方針の現状維持を全員一 致で決定。黒田東彦総裁は同日の定例記者会見で、「海外経済を中心に 下振れリスクはこれまでより低下してきている」と語った。また、「リ スクが顕在化しなければ、現在の政策が続いていくということであろ う」と述べている。

--取材協力:大塚美佳. Editors: 崎浜秀磨, 青木 勝

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