ミッキーマウスが同性婚を祝福、企業もLGBT消費者に期待

イタリアの高級車「アルファロメ オ」の日本市場でのシェアは0.1%にも満たない。これではトヨタ自動 車のようなマーケティングを展開するのは無理な話だ。

そこで日本でのマーケティング担当ディレクターのティツィアナ・ アランプレセ氏は、大半の日本企業が見過ごしている消費者層に働きか けることにした。性的少数者(LGBT=レズビアンやゲイ、バイセク シャル、トランスジェンダーを指す)だ。そのために、こうした層のた めの国際映画祭やイベントのスポンサーになった。

米欧企業は少なくとも1990年代からLGBT消費者を対象としたマ ーケティングを行っているが、日本ではLGBTについて公然と話題に されることも少ない。しかし徐々に認知が進んでいることを世論調査な どが示すのにつれ、ソフトバンクや電通といった企業がLGBT向けマ ーケティングに乗り出した。

LGBTマーケティング のコンサルティング会社、コチによる と、この層による年間消費は6兆6000億円規模にも達する。元ドイツ銀 行アナリストでコチの創業者、東田真樹氏は、同性愛者の多くは結婚せ ず子供も持たないので裁量的支出の余力が大きいと指摘した。

ソフトバンクやアルファロメオは東京国際レズビアン&ゲイ映画祭 やLGBTコミュニティーに貢献した人や団体に送られる賞、東京スー パースターアワードのスポンサーになっている。米グーグルやIBM、 電通、ドイツ銀、ブルームバーグ・ニュースの親会社のブルームバー グ・エル・ピーなどもスポンサーだ。

ソフトバンクの広報担当、長田真理子氏は同社のLGBTマーケテ ィングの取り組みの詳細についてコメントを控え、「LGBT系の小規 模イベントに関わることはあっても、社として特別な思いがあってとい うのではない」と述べた。

変化の兆し

同性愛に対する理解は日本では欧米に比べ進んでいないとテンプル 大学(東京)のジェフ・キングストン教授は指摘する。それでも、ピュ ー・リサーチ・センターが昨年6月に発表した世界調査によれば、同性 愛を社会が受け入れるべきだという回答は日本で2013年に54%と07年 の49%から増え、18-29歳の若者の間では83%に上った。

許容度の高まりを示す例はほかにもある。昨年3月には東京ディズ ニーシーでレズビアン(女性同性愛者)同士の結婚式が行われた。法的 には認められない同性婚の象徴的な式で、二人は白いドレスでミッキー マウスとミニーと一緒に写真を撮った。

東京都中野区の区議会議員を務める石坂わたる氏(38)はインタビ ューで、日本社会の受け止め方について、「私がカミングアウトした17 歳の頃と比べて格段に違いますね」と語った。

アランプレセ氏はアルファロメオのLGTB向けマーケティングに 対する反対意見はこれまで聞いていないと述べ、ファッション業界や化 粧品業界の企業が似たようなマーケティングに乗り出す可能性も大いに あるとの見方を示した。

原題:SoftBank to Mickey Mouse Court Gays in Japan as Acceptance Grows(抜粋)

--取材協力:安 真理子、Terje Langeland. Editors: Terje Langeland, Ben Richardson

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