野村:日本企業のIPO、今年1兆円超えも-ファンド案件増で

(最終段落に13年のIPOについて追加します)

【記者:日向貴彦】

1月23日(ブルームバーグ): 2014年の日本企業による新規公開 (IPO)の規模が1兆円を超える可能性があるとの見通しを、野村ホ ールディングスが明らかにした。株価上昇を背景に投資ファンドが利益 回収の動きを活発化させることなどにより、昨年の2倍近くに達する見 通しだという。

野村証券で公開引受部を統括する吉原寛マネジングディレクターは ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、北海道から九州まで全 国の機械部品など製造業、IT(情報技術)、サービス業、太陽光発電 などエネルギー産業を含む約80社の新規上場が見込めると述べた。58社 だった13年と比べ件数でも大きく増加するとみている。

日本の株式相場が世界の主要マーケットでベストパフォーマーを演 じ、企業にとって株式公開しやすい環境となる中、米べインキャピタル やサーベラスなどの投資ファンドはIPOを通じて、これまでの投資収 益回収に動き出す。東京証券取引所第1部上場の全銘柄の時価総額は直 近1年間で40%増の460兆円に達しており、日本企業は自社株式を公開 することに自信を持ち始めている。

野村の吉原公開引受部長(50)は、「久しぶりに1兆円を超える可 能性がある」との見通しを示した上で、14年は1件当たり1000億円超の IPOが増加し、「グローバルオファリングが増えるだろう」と述べ た。また、海外の投資家は国内の個人同様に日本株に高い関心があると 語った。

投資回収が積極化

ブルームバーグ・データによると、ことしの日本のIPO市場が1 兆円を超えれば、第一生命保険や大塚ホールディングスなどが新規公開 を行った2010年以来となる。また、80社が株式公開すれば、件数では 約120社が上場した07年以降で最も多くなるという。

ベインキャピタルが経営を支援している大手レストランチェーンす かいらーくは、株式の新規公開を検討している。複数の関係者への取材 で昨年、明らかになった。

米ベインは11年10月にすかいらーく株式を野村などから約1600億円 で取得した。早ければことし東京証券取引所に上場させる可能性があ る。ベインは同時に企業の合併・買収(M&A)を伴う相対での売却な ど、市場外での投資回収の可能性も模索しているとみられる。

西武ホールディングス(HD)も4月以降の早い時期に東証に再上 場することを目指していることが、今月明らかになった。筆頭株主で米 投資ファンドのサーベラスは再上場を容認するという。西武HDの筆頭 株主として約35.5%を保有するサーベラスは、昨年ガバナンスや株式上 場の条件をめぐり西武HDと激しく対立したが、その後非公式に協議を 重ねていた。

野村の吉原部長は、未公開株に投資するPEファンドによる日本企 業の株式売却について、「エグジット案件は増えて行くだろう。M&A とIPOの両にらみで常に出口を模索しているファンドは、マーケット 環境がよくなると、転売ではなくIPOを十分検討するようになる」と の見方を示した。

外資との競争厳しく

ブルームバーグ・データによれば、野村は13年、サントリー食品イ ンターナショナルのIPO主幹事を含む27件を手がけ、引き受け業者ラ ンキングで首位となった。同社の株式関連の投資銀行業務手数料は第2 四半期(7月-9月)は110億円と前年同期比で13%増えている。

野村の吉原氏は、現在のIPO主幹事の獲得競争について、「コン ペティティブな状況になっている」と述べ、ゴールドマン・サックス、 モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカなどの外国勢に加え、 大和証券やメガバンク系証券の存在感が増していると指摘した。

野村証券では東京、名古屋、大阪で約80人がIPO業務に携わって いる。吉原氏は、日本企業がグローバルオファリングをする際には「外 資を無視してやるようなことはない。その中で野村がどのように存在感 を示していけるかだ」と述べ、14年もトップを維持したいとの意欲を示 した。

サントリー食品のIPOは4000億円規模で、主幹事は、野村、モル ガンS、JPモルガンが務めた。またシティグループ、ゴールドマン、 みずほ証券、SMBC日興証券なども引き受け業務に携わった。

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