細川氏:「脱原発」で都知事選に、安倍政権に挑戦状-小泉氏支援

約20年前に非自民連立政権を率いて 自民党を揺さぶった細川護煕元首相が「脱原発」を掲げ、東京都知事選 (23日告示、2月9日投開票)に出馬する。2005年の衆院選で自民党を 大勝させた小泉純一郎元首相の支持を得て自民、公明両党が支援する舛 添要一元厚生労働相に対抗。原子力発電所の再稼働を視野に入れている 安倍晋三政権に挑戦状をたたきつけた形となる。

細川氏は22日午後、東京都庁で記者会見し、都知事選出馬について 「成長のためには原発が不可欠だといって政府が再稼働させようとして いることに私はあらためて強い危機感を持ち、それが今回出馬を決意す るきっかけともなった」と説明。安倍首相の政権運営については「今の 国の目指している方向、その進め方に何かと危ういものを感じている。 憲法でも安全保障でも近隣諸国との関係でも懸念していることがいくつ かある」との認識も示した。

都知事選では「原発問題こそ今度の選挙の最大の争点」になると明 言。「今ここで原発ゼロの方向を明確に打ち出さなければ50年、100年 たっても原発依存の状態から抜け出すことはまず不可能。再稼働にスト ップをかけ、自然エネルギー大国日本を世界に発信していく方向に今、 決断すべき時だ」とも述べた。会見はインターネット動画中継サイト 「ニコニコ動画」が生中継した。

細川氏はジャーナリストの池上彰氏の著書「池上彰が読む小泉元首 相の『原発ゼロ』宣言」(径書房)のインタビューでは、自らの首相時 代に原発を問題視しなかったことを「本当にのんきだった」と振り返っ た。日本も「即原発ゼロ」にすると「明確に言い切った方がいい」と訴 えている。小泉氏は昨年11月の記者会見で、安倍首相に「原子力発電ゼ ロ」を決断するよう促している。

中央大学のスティーブン・リード教授は細川氏が立候補することで 原発をめぐる問題は取り除くことのできない政治課題となった、と指 摘。原発問題が都知事選で主要争点になれば、自民、公明両党は厳しい 戦いを強いられるとの見方を示す。

細川、小泉両氏の主張に対し、舛添氏や首相は「脱原発」が都知事 選の主要争点になることを回避する戦術に出ている。舛添氏は14日の記 者会見で、11年の東京電力福島第一原発の事故後に福島県の状況を見て 以来、「脱原発ということを常にそれ以来、言い続けている」と説明。 安倍首相もエチオピアでの内外会見で、「原発依存度を可能な限り低減 させていくのは私たちの方針でもある」と述べている。

政治改革

バンクオブアメリカ・メリルリンチは1月17日付のリポートで細川 氏が勝利した場合、エネルギー価格の急激な上昇や株価の下落リスクが 高まるかもしれないと指摘する。原発がなくれば、電力会社は電気料金 を引き上げ、経済成長も0.5%から1.0%下押しされる可能性があり、株 価も7%から10%下落する要因となるとの見方も示す。

細川氏は熊本県知事などを経て1992年に日本新党を結党。93年8月 に非自民連立政権の首相に就任し、衆院に小選挙区比例代表並立制を導 入するなどの政治改革を進めたが、佐川急便グループからの借入金問題 などを国会で追及される中、翌94年4月に退陣した。その後、98年に民 主党の結党を見届けた後、国政を引退。陶芸家として政治の一線から身 を引いていた。

一方の舛添氏は国際政治学者としてのテレビ出演などで知名度が高 かったが、母親の介護経験などをきっかけに政界に転身。2001年の参院 選で自民党から出馬して初当選し、その後、厚労相などを務めた。同党 が野党時代の10年に党を離れ、新党改革を結成したことで自民党から除 名処分を受けている。13年の参院選には出馬しなかった。

都知事選にはこのほか、元日弁連会長の宇都宮健児氏、元航空幕僚 長の田母神敏雄氏らが出馬する予定。

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