タイのインラック首相は21日、首都 バンコクなどに非常事態宣言を発令した。反政府デモ隊を狙った暴力の 激化が2月2日の総選挙実施を脅かしかねない状況に対応した。

バンコクでは手投げ弾を使った攻撃や発砲により、過去5日間で1 人が死亡、70人が負傷。プラユット陸軍司令官がデモ参加者や治安当局 に自制を呼び掛ける事態となっていた。デモ隊を率いるステープ元副首 相は、13日に始めたバンコクの主要な交差点の封鎖を継続すると表明し ている。

オーストラリアのマードック大学アジア研究センターのディレクタ ー、ケビン・ヒューイスン氏は非常事態宣言について、「デモ隊に対し て概ね融和的な姿勢を取ってきた政府にとってリスクの極めて大きい動 きだ。暴力が激化し、どちらかの側につくよう軍を駆り立てる恐れがあ る」と指摘した。

タイで非常事態宣言が発令されたのは、ステープ元副首相の民主党 が政権を担っていた2010年以来。当時、インラック首相の兄であるタク シン元首相の支持者に対する取り締まりで90人以上が死亡した。

インラック首相は21日に記者団に、「われわれは交渉から始める」 と説明。「全当局者が慎重に、国際ルールに従って対応する。心配は要 らない」と述べた。非常事態宣言の期間は22日から60日間。

軍と警察による合同作戦を監督するチャルーム労相は21日、当局が 武器を使用したり、夜間にデモ隊を追い払うようなことはしないとし、 選挙は予定通りに実施すると述べた。

原題:State of Emergency Declared in Bangkok to Curb Protest Violence(抜粋)

--取材協力:Anuchit Nguyen、Ye Xie. Editors: Tony Jordan, Dick Schumacher

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