IMF:14年世界成長見通しを上方修正-日本は1.7%に上げ

国際通貨基金(IMF)は21日に公 表した最新の世界経済見通し(WEO)で、今年の世界成長率予想を上 方修正した。米国や英国の成長加速を指摘したが、先進国経済は景気回 復を確実なものにするため緩和的な金融政策を維持すべきだとも論じ た。

IMFは今年の世界経済の成長率を3.7%と予想。昨年10月時点で は3.6%と見込んでいた。米国の2014年成長率見通しは2.8%(10月時点 では2.6%)、日本は1.7%(同1.2%)、英国は2.4%(同1.9%)とそ れぞれ引き上げた。経済規模が世界2位の中国は7.5%(同7.3%)とし た。中国の昨年の成長率は7.7%。

IMFは「先進国では概して需給ギャップが依然大きく、そのリス クを考慮すれば財政再建の取り組みが続く間、緩和的な金融政策スタン スを維持すべきだ」と指摘。「多くの新興市場や途上国では内需の弱さ に不安が残るものの、先進国の外需拡大が成長を押し上げる」と分析し た。

オリビエ・ブランシャール調査局長(主任エコノミスト)は、米国 の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標は2015年に 引き上げられるとIMFは予想していると、声明で述べた。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は12月17、18日に開催した定例 会合後に声明を発表し、債券購入額を毎月850億ドルから750億ドルに縮 小する方針を示した。

先進国経済への新たなリスク

先進国経済への新たなリスクの1つとしてIMFは特にユーロ圏で 「極めて低いインフレ率」が一段と顕著になり、比較的長期のインフレ 期待が低下する見通しが高まる可能性があると予想した。

その上で、このような事態となれば、実際のインフレ率が予想を下 回って「実質ベースで見た債務負担の増大」につながったり、名目金利 引き下げの余地が乏しい中で、「時期尚早な形で実質金利上昇リスクが 高まる」と分析。経済活動にマイナスのショックがあれば、「デフレの 可能性も増すことになる」とした。

ブランシャール氏は電話会議で米金融当局による政策の枠組みや政 策実行のタイミングは「妥当」であり、米当局が尚早に緩和策を解除す る方向にバイアスがかかっているとは考えていないと話した。

また同氏は、景気低迷の影響で欧州がデフレに陥る確率が10-20% あるとの見通しを示した上で、欧州中央銀行(ECB)に持続的な需要 拡大やインフレ水準の維持に取り組むよう求めた。

消費税引き上げ

WEOは日本に関し、「昨年10月時点の見通しよりも緩やかな成長 鈍化を見込んでいる。時限的な財政刺激策が今年前半の消費税引き上げ の悪影響を一部相殺するだろう」と説明した。

米経済については、「最近の予算合意の結果、財政面の足かせが弱 まったことなどを背景に、国内最終需要が今年の経済を押し上げるが、 予算合意は15年の財政スタンスの引き締めも意味する」と分析した。

ユーロ圏をめぐっては「リセッション(景気後退)を脱し、回復局 面に入っている」とし、圧力にさらされている国では経済の改善は比較 的緩慢なものになると付け加えた。

英国では信用緩和と市場心理の改善が成長を押し上げているが、 「経済のたるみの水準は引き続き高い」と指摘した。

一方、中国は「投資の加速が主因となり、昨年後半に力強い成長回 復が見られた」とし、「過剰投資が成長と金融安定性に及ぼすリスクを 効果的に抑制するため、内需の重点を投資から個人消費へと移す取り組 みのさらなる進展が必要だ」と指摘した。

他の新興市場については、内需が依然相対的に弱いと分析。 FOMCが緩和縮小を準備しているとの観測が強まった昨年半ば以降、 金融情勢の引き締まりに加え、政策・政治上の不透明性と障害により投 資が落ち込んだと説明した。ブラジルの今年の成長率予想は2.3%と、 昨年10月時点に見込んだ2.5%から下方修正。ロシアは1ポイント引き 下げ、2%と予測した。

原題:IMF Raises Global Growth Outlook as Advanced Nations Accelerate(抜粋)

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