企業のアニマルスピリットが復活-世界は11年以来の高成長へ

昨年、投資家を鼓舞した熱狂を世界 中の企業が共有し始めている。

ムーディーズ・アナリティクスの集計した週間統計によれば、スイ スのダボスで今週開かれる世界経済フォーラム(WEF)年次総会を前 に、企業の景況感は2003年の調査開始以降で最高水準に上昇している。

企業の合併・買収(M&A)は急増し、今年に入って既に計1300億 ドル(約13兆5200億円)相当の買収提案の発表があった。金融危機の再 発に備えて手元資金をため込んできた米マイクロソフトや独フォルクス ワーゲン(VW)などの企業は設備投資を拡大する計画を準備してい る。

ムーディーズのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は「アニ マルスピリット(野心的意欲)が戻ってきている」と述べ、設備投資や 雇用が「好調な年になろう」との見方を示した。

好転が見込まれる背景には、昨年後半の米国や世界の成長加速を受 けて、景気拡大の持続性に信頼感が増していることや、老朽化した設備 の更新ニーズ、ユーロ圏崩壊などをめぐる懸念などの後退がある。

こうした好転は世界経済や金融市場にとって不可欠で、ゴールドマ ン・サックス・グループやクレディ・スイス・グループのストラテジス トは、楽観論が投資家から企業に波及することなどを前提に、世界の成 長率が11年以来の高水準となり、株高が持続すると予想している。

WEF年次総会に出席するイングランド銀行(英中央銀行)金融政 策委員会(MPC)元委員で、ピーターソン国際経済研究所 (PIIE)所長のアダム・ポーゼン氏は、投資家がもっと前向きにな るには消費者や企業の需要拡大を目にする必要があろうと指摘した。

不安感

企業経営者や政府当局者が参加する毎年恒例のダボス会議は08年9 月のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスの経営破綻以降、世界の 金融システムの安定性をめぐる不安感に支配されてきた。昨年の総会は 落ち着きを多少取り戻したとはいえ、欧州景気低迷への不安や中国経済 のハードランディングの可能性、日本の景気刺激策に関する疑問、債務 上限をめぐるオバマ米大統領と議会共和党の対立が依然として懸念要因 だった。

今年の総会に出席するセディージョ元メキシコ大統領は「新しい点 は危機ムードが弱まってきたことだ」と述べ、「1年前は極めて恐ろし い状況だった。脆弱(ぜいじゃく)性がかなり残っているとはいえ、今 はより良い状況にあるようだ」と指摘した。

経成長加速

問題は不安の後退を受け、イギリスの経済学者ケインズが名付けた アニマルスピリットがかき立てられ、企業経営者が慎重な姿勢を捨てて 投資を強化する状況につながるかどうかだ。バンク・オブ・アメリカ (BOA)メリルリンチによれば、12年末時点で世界の大手企業(金融 を除く)の手元資金は4兆5000億ドルと、06年を73%上回っていた。

企業が今こうした資金を投資に振り向ける1つの理由は、世界的な 経済成長の加速に便乗するためだ。国際通貨基金(IMF)のラガルド 専務理事によれば、同基金は21日に14年の経済成長率見通しを昨年10月 時点の予測の3.6%から上方修正する。クレディ・スイスとゴールドマ ンは今年の成長率を3.7%と、昨年の2.9%から加速すると予想してい る。

原題:Companies Get Animal Spirits as World Growth Seen Most Since ’11(抜粋)

--取材協力:アンディ・シャープ、Chad Thomas. Editors: Melinda Grenier, James L Tyson

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