【今週の債券】長期金利0.6%台の下限探る、リスクオフ継続との見方

今週の債券市場で長期金利は0.6% 台で低下余地を探る推移が予想されている。年明け以降の米国をはじめ 世界景気の先行き不透明感によるリスクオフ(回避)の動きを背景にし た金利低下基調が継続するとの見方が出ているためだ。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが17日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.63%-0.73%となった。前週末終値は0.67%。

前週の長期金利は0.6%台半ばから後半で推移した。昨年12月の米 雇用統計が予想を大幅に下回り、米10年国債利回りが3%付近か ら2.8%台に急低下したことを受けて14日には0.65%と1カ月ぶり低水 準を付けた。しかし、その後は米経済指標の改善を受けた株価上昇や外 国為替市場での円下落などを背景に金利低下基調に歯止めが掛かった。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、昨年末に見られたリス クオン(選好)の勢いは失われてしまった感が強いと指摘。「もともと 日本市場は今年前半には独自のリスクオン材料が乏しく、米国要因によ るドル高・円安への依存が大きかった。米国が雇用統計ショックを払し ょくしてリスクオンの流れを取り戻すには数カ月かかる」とみている。

日本銀行は21、22日の2日間の日程で金融政策決定会合を開く。国 内景気は緩やかに回復しており、金融政策の現状維持が決まる見込み。 今回の会合では昨年10月末に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リ ポート)」の中間評価を行う。松沢氏は「今週の会合では、経済見通し は前回10月から据え置こうが、日銀の想定通り景気が回復していること を強調し、追加緩和からは距離を置く姿勢を続けるだろう」と言う。

5年債と20年債の入札

21日に5年利付国債(1月発行)の入札が行われる前週末の入札前 取引で5年物は0.21%程度で推移しており、表面利率(クーポン)は前 回債と同じ0.2%となる見込み。発行額は2兆7000億円程度。

23日に20年利付国債の入札が実施される。前回入札の147回債と銘 柄統合するリオープン発行となり、表面利率(クーポン)は1.6%とな る。発行額は1兆2000億円程度。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は中心限月の3月物、10年国債利回りは332回債。

◎大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長

先物3月物143円80銭-144円40銭

10年国債利回り=0.65%-0.70%

「米雇用統計の悪化で日米の金利は低下したものの、米景気は回復 基調との見方が有力で、金利の水準が下がるに従い需要は減退する。超 長期ゾーンは年初に買われた反動が続いている。30年債入札がいまひと つだったこともあり、23日の20年債入札に向けてもう少し調整が必要で はないか。一方、金利水準が上がれば相応の押し目買いが見込める。為 替や内外株相場が大きく動かなければ、10年債利回りは0.65-0.68%程 度でこう着することも考えられる」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物3月物143円70銭-144円70銭

10年国債利回り=0.63%-0.73%

「日銀金融政策決定会合について、一部にさらなる量的緩和への期 待があるが、今回は何もないと見込む。アベノミクスに対する海外勢の 信任がどこまで継続するのかが鍵。米雇用統計が弱かったので、月末の 連邦公開市場委員会(FOMC)も注目される。米量的緩和縮小で株式 などリスク資産が下落するとアベノミクスにとってマイナスになる。こ れまでの量的緩和縮小額は大したことないので様子見だがスピードが速 まるようであれば要注意」

◎みずほ銀行資金証券部の新井厚志次長

先物3月物143円80銭-144円50銭

10年国債利回り=0.65%-0.72%

「20年債入札については、先週の1.6%台での30年債入札が低調だ ったため、1.5%台前半では買いが乏しくなりそうだ。1.5%台後半にな れば一定の需要が出てくるとみられ、余力はあるが、慌てて買う状況で はない。米国債は雇用統計のサプライズがあった後だけに次回の統計発 表までこう着。今週も2回の国債買いオペが予想されるが、5年債と20 年債の入札で供給が増える分だけ、利回り水準は上に調整する可能性が 高まる」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎. Editors: 崎浜秀磨,山中英典

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