野村など国内証券:個人向けの株式手数料を引き上げへ-4月

野村ホールディングスなど国内証券 各社が、今春予定されている消費増税に合わせ、個人投資家向けの株式 売買手数料を引き上げることが17日までに分かった。

野村証券では4月1日から、20万円超50万円以下の国内株式の売買 手数料率を1.365%から1.404%に引き上げる。同社が今週、顧客向けに 郵送した書類で明らかになった。例えば1銘柄50万円相当の取引にかか る手数料は現在の6825円から7020円へと3%の増税分が加算される。

野村などの証券各社は株式市況の回復によりアベノミクスの恩恵を 享受しており、TOPIX証券・商品先物業指数は過去12カ月で92%上 昇と全33業種中でベストパフォーマーとなっている。こうした中で野村 は4月から若手従業員4000人を対象に給与水準の引き上げを決定、大和 証券なども現在賃上げを検討している。

大和証券グループ本社の見澤広治広報担当によれば、大和証でも国 内や外国株の売買手数料などを引き上げる計画だ。また、SMBC日興 証券の芝田浩一広報担当によると、同社でも増税分を上乗せする方針を 固め、今後投資家に通知していくと述べた。

インターネット証券

インターネット証券で国内最大手のSBI証券では、消費税率の引 き上げに伴い手数料を上げるかどうかは決定していないという。経営企 画の緒方剛史氏は、同社は現在「さまざまな選択肢を検討中」で、一部 の手数料を増税後でも据え置くことも検討課題となっていることを明ら かにした。

ネット大手の松井証券は4月より消費増税分を上乗せする方針だ。 営業推進部の松井亮氏によれば、50万円の取引に対する手数料は現在 の525円から540円となる。

松井氏は手数料の引き上げについて、「個人投資家の消費増税によ る負担は増える」と述べたが、「これから投資しようとする人に貯蓄か ら投資への動きを促すため、NISA(少額投資非課税制度)口座での 取引は売りも買いも無料にする」と語った。

個人投資家のコスト

国内最大手の野村が10月に発表した決算では、4月から9月のリテ ール国内営業(個人向け取引)から生じた税前利益は1211億円と前年同 期の5倍以上に拡大、利益全体の65%を占めていた。大和証Gの経常利 益も4倍以上に拡大して589億円となった。

4月から政府が実施する5%から8%への消費増税を受け、個人投 資家の負担は増えることになる。一方、最近の日本株式の活況により一 部投資家の利便性に悪影響が出始めている。野村ではコールセンターへ の相談や問い合わせが増え、電話がつながりにくい状況が続いている。 同社がホームページで開示した案内によれば、昨年12月24日以降1月14 日までほぼ連日回線が込み合い顧客に不便が生じているという。

これについて野村HDの山下兼史広報担当は、コールセンターでは この1年でオペレーターを10%程度増やしてきたが、「今後1年でさら に1割増やしていく予定」だと述べた。

株式市場が閉まった後の17日午後5時30分、野村のコールセンター への問い合わせを数回試みたが、「申し訳ございません。ただ今電話が 大変混み合っています。このままお待ちいただくか、しばらくたってか らおかけ直しください」とのアナウンスと保留の音楽が複数回繰り返さ れ、つながるまでに時間を要した。

大手行でも手数料上乗せ

国内の大手銀行でも手数料を上乗せする動きがでている。三井住友 銀行の国部毅頭取は16日の全国銀行協会長会見で、消費税率の引き上げ に伴い同行がATM手数料などを上乗せする方向で考えていることを明 らかにした。

また野村では個人投資家向け手数料のほか、企業の合併・買収( M&A)のアドバイザリー業務や債券の引き受け業務など法人向けの手 数料にも増税分を上乗せする方針だ。

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