【日本株週間展望】下値固め、米動向に敏感-都知事選告示も

1月4週(20-24日)の日本株は、 下値固めとなりそうだ。米国景気に対する過度の警戒は和らいでいる が、週内は目立った注目材料に乏しく、米経済統計や企業決算に一喜一 憂する展開が見込まれる。首相、閣僚経験者が出馬予定の東京都知事選 の行方も国政に影響を及ぼす可能性が浮上、警戒要因となってきた。

みずほ信託銀行の中野貴比呂シニアストラテジストは、「国内の企 業業績発表が本格化する前で、大きな動きや方向感は出づらい。日本株 は水準感を探る動きになる」とみている。

1月3週の日経平均株価は、週間で1.1%安の1万5734円46銭と続 落。10日発表の米12月の雇用統計で、非農業部門雇用者数の伸びが市場 予想から下振れ、米景気の先行きに不透明感が広がり、一時1ドル =102円台まで為替がドル安・円高方向に振れたことも嫌気された。

ただ、一時的に高まったこうした米国に対する不安感も、小売売上 高やニューヨーク連銀製造業景況指数の堅調内容などを受けて徐々に沈 静化。また、世界銀行も2014、15年の世界経済成長見通し上方修正し、 ユーロ圏経済の改善と米経済などが寄与するとの判断で、ことしの先進 国の成長予想を2%から2.2%に見直した。国際通貨基金(IMF)の ラガルド専務理事は、昨年後半に見られた世界経済の勢いは14年も続く と予想している。

米景気先行指数、IBMなど決算

発表予定の主な米経済統計は、23日に昨年12月の景気先行指標総合 指数や中古住宅販売など。ブルームバーグが集計したエコノミスト予想 では、景気先行指数は前月比0.0%(11月は0.8%上昇)への低下、中古 住宅販売件数は前月比1%増(11月は4.3%減)が見込まれている。 「雇用統計は思ったほどの数字ではなかったが、他の経済指標は米経済 の回復基調を示す内容。多少悪いものが出たとしても、消化されていく だろう」と、みずほ信託銀の中野氏は話す。

既に始まっている米企業の昨年10-12月期決算の発表も続く。序盤 は、バンク・オブ・アメリカ(BOA)がアナリスト予想を上回る半 面、シティグループやゴールドマン・サックス・グループ、鉄道輸送会 社のCSXは予想から下振れ。16日発表の半導体世界最大手のインテル の1-3月(第1四半期)売上高見通しも、予想に届かなかった。

21日にはIBMやベライゾン・コミュニケーションズ、アドバンス ト・マイクロデバイシス、22日はテキサス・インスツルメンツ、サンデ ィスク、イーベイ、23日にマクドナルド、スターバックスなどが予定。 ゴールドマン・サックスでは、S&P500種株価指数ベースの10-12月 オペレーティング1株利益を前年同期比23%増と予想。コンセンサス の19%増に対し、4%ポイントの上振れになりそうとしている。

これまでは金融の決算が多かったが、今後はハイテクや小売なども 出てくるため、「個別企業を通じて見えてくる年末商戦の動向が焦点」 と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラ テジストは指摘。米景気への期待が持ち直す中、決算を受けながら投資 家の間で安心感が強まるかどうかを確認したい、と言う。

決算発表の増加に連れ、最高値圏にある米国株の上値も重くなって きた。BMOグローバル・アセット・マネジメントのチーフストラテジ スト、サンディ・リンカーン氏は「ファンダメンタルズを見ると、相場 はひどく割安でも割高でもない」と分析。米国株高の支援材料がなけれ ば、国内材料に乏しい日本株の上値も重くならざるを得ない。

このほか中国では、20日に昨年10-12月の国内総生産(GDP)や 鉱工業生産、23日は1月のHSBC製造業購買担当者指数(PMI)な どが公表予定だ。エコノミスト予想では、10-12月成長率は前年同期 比7.6%増と、前回7-9月の7.8%増から鈍化する見込み。

日銀会合、都知事選告示

国内では21、22両日に日本銀行が金融政策決定会合を開く。22日に は、昨年10月末に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」 の中間評価を公表、黒田東彦総裁が会見する。野村証券の木下智夫チー フエコノミストらは、日銀が今回の中間評価で消費者物価指数(生鮮食 品を除いたコアCPI)の14年度見通しを上方修正する可能性は低い、 としながらも、「仮に上方修正された場合、市場が織り込む追加緩和時 期を後ろ倒しさせる材料となる可能性があろう」と予想した。

一方、23日には都知事選が告示される。投開票は2月9日。立候補 の意向を表明し、民主党が支援の動きを見せる細川護煕元首相は「脱原 子力発電所」を掲げ、小泉純一郎元首相が支持を表明した。細川氏の発 言や世論調査など都知事選に関する動向次第では、電力株や全体の投資 マインドの重しになりそうだ。

細川都知事が誕生した場合の影響について、BNPパリバ証券の丸 山俊日本株チーフストラテジストは「国政が脱原発を掲げる都政に振り 回されることが最大のリスク」とし、安倍政権=原発推進という対立構 図が浮かび上がると、「安倍政権の支持率が低下する可能性がある」と 懸念を示す。

これら以外に日本株市場で材料視されそうな日程は、21日に国際通 貨基金(IMF)が世界経済見通しの改訂版を公表する見通し。22日か らはスイスで世界経済フォーラム(ダボス会議)が始まり、安倍晋三首 相が基調講演を行う。24日には通常国会が召集され、安倍首相が施政方 針を演説する。

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