物価上昇で日銀に出口政策検討求める声-目標達成後では金利に混乱も

日本銀行が進める「量的・質的金融 緩和」を背景に消費者物価は上昇基調にある。日銀の黒田東彦総裁は、 目標とする2%の物価上昇率の実現に向け、日本経済が「道筋を順調に たどっている」と表明。一方、日銀が引き締めに動けば、金利が急上昇 するリスクも市場関係者から指摘され、緩和からの「出口」政策を早期 に検討するよう求める声も出ている。

日銀が昨春以降の緩和措置で大量の国債買い入れに動いているのを 受け、日本の長期金利は世界で最も低い水準にある。現物債市場で長期 金利の指標となる新発10年物国債の332回債利回りは16日、0.67%前後 で推移した。

野村総合研究所チーフエコノミストのリチャード・クー氏は、日銀 が物価目標を達成するまで出口政策を先送りした場合、長期金利の混乱 を回避する上で後手に回る可能性があると指摘。今すぐ同政策を検討す べきだとの見方を示す。

黒田総裁はこれまでのところ、出口政策の明確化は「時期尚早」と の見解を繰り返している。昨年11月の衆院財務金融委員会では、取り得 る出口の手段として保有国債の償還や各種の資金吸収オペレーションの ほか、いわゆる「付利」(補完当座預金制度の適用金利)の引き上げな どが考えられると答弁した。

ただ、「こうした手段の中で実際にどれを用いるかとか、あるいは どのような順序で出口を進めるかは、その時々の経済・金融情勢、ある いは市場の状況によって変わり得る」とし、「早い段階から具体的イメ ージを持ってお話しすることは適当でない」との見解を示した。

物価見通しを来週中間評価-日銀

昨年11月の全国の消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI) の前年比は6カ月連続で上昇した。前年同月に比べた伸び率は2008年10 月以来の水準となる1.2%。先行指標とされる東京都区部の12月は 同0.7%上昇した。都区部のプラスは8カ月連続。

日銀は昨年10月末公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポー ト)」で、コアCPI前年比の見通し(政策委員の中央値、消費税率引 き上げの影響除く)を14年度は1.3%上昇、15年度が1.9%上昇と、いず れも7月時点から維持。その上で「見通し期間の後半にかけて、物価安 定の目標である2%程度に達する可能性が高い」としていた。日銀は来 週開く金融政策決定会合で同リポートの中間見直しを行う。

--取材協力:. Editors: 小坂紀彦, 淡路毅

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