前田建:新関空の運営権売却入札に参加検討、豪マッコーリーと合弁で

前田建設工業は、新関西国際空港 仙台空港などの運営権売却入札への参加を検討している。近く設立する 豪金融大手マッコーリーとの合弁会社を通じ、運営権取得を目指す。前 田建設の掲げる「脱請負」の一つの柱として、新たな収益基盤を確立す る狙い。

前田建設の岐部一誠執行役員は、空港や道路、上下水道などの運営 権売却入札について、「年1-2件は1000億円以上の大型のものにチャ レンジする」との意欲を示した。世界的にインフラ投資の実績を持つマ ッコーリーと組むことによって、来年度から本格化する運営権売却によ る民営化案件で、「日本における先駆者であり続けたい」と述べた。

過去最高の公的債務を抱える日本政府は、成長戦略の一環として、 老朽化するインフラの更新投資に、今後10年で12兆円規模の民間資金を 生かした社会資本整備(PFI)を採用する目標を掲げた。このうち、 新たに導入された運営権売却方式では、3兆円の市場規模を見込む。

岐部氏は、「世界中で空港や道路の運営権売却(コンセッション) が進んでいて、そういう成長をとらえたゼネコンだけが欧州では生き残 っている」とし、10年前から同分野への参入機会を伺ってきた。新関西 や仙台空港が来年度に運営権売却入札を実施する方針で、福岡空港愛 知県有料高速道路などでも、運営権売却に向けた検討を進めている。

脱請負

建設会社の主な収益源となる公共事業などの請け負いは、厳しい環 境にあり、前田建は中期経営計画で、新たな収益源として「脱請負」を 掲げた。自らが事業者となり、上流から下流まで事業全体で収益を上げ るビジネスモデルの確立を目指している。

同社は従来、空港関連事業では、東京国際空港のD滑走路や香港国 際空港ターミナルビルの建設施工を手掛けてきた。運営権取得になる と、事業への出資から設計施工、運営、運営権の再売却まで一貫して手 掛けることによって、「配当、建設利益、運営利益、売却益の4つの利 益のチェーンで脱請負」を飛躍的に後押しすることになるという。

前田建設は昨年10月、マッコーリーの投資銀行部門マッコーリーキ ャピタルとの間で、空港や道路、再生エネルギーなどインフラ事業で協 業することに合意。マッコーリーはインフラや資源分野に強みを持ち、 世界各国で100以上のインフラ事業への投資・管理・運営を手掛ける。

オンリーワン

新関西の運営権売却額は最大1兆2000億円、福岡空港や愛知県有料 高速道路でも1000億円を超えるといわれる。岐部氏は、「出資はマイノ リティでも建設会社としてオンリーワンで入っていければいい」と述 べ、官民連携インフラファンドや地元企業にも出資を仰ぐ考えを示し た。

日銀統計によると、金余りによる預貸ギャップは過去最高水準 の180兆円台で推移しており、国内銀行の長期貸出平均金利は11月に過 去最低の0.869%を記録した。こうした金融環境下では、「なるべくレ バレッジを効かしたほうがいい。もっとエクイティを集めれば金利が安 くなるとなれば、戦略上どうするか考える」と述べた。

17日の前田建設株は前日比5.2%(36円)高の723円で取引を終了 し、終値としては2006年4月以来の高値となった。

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