クーレ理事:新LTROは不要も、ガイダンス強化の用意ある

欧州中央銀行(ECB)のクーレ理 事は、ユーロ圏の銀行は再度の長期リファイナンスオペ(LTRO)を 必要としない可能性があるとの見方を示した。

同理事は15日にフランクフルトでインタビューに応じ、「適切な水 準の流動性を万全にするには常設のファシリティで十分ということも考 えられる。そうでない場合には行動する」と語った。さらに「テールリ スクは6カ月前に比べ、はるかに限られている。その意味で、回復には 一段と自信を持っている」と付け加えた。

クーレ理事は短期オペについては、無制限供給を少なくとも2015年 7月まで続けることを強調。「固定金利での応札額全額供給という方法 の力を市場は十分に認識していない」とし、「これは市場を守る重要な 防護策であり、昨年末には効果的に機能した」と語った。具体的には12 月に欧州の銀行間市場の翌日物金利が2年ぶり高水準に達したが、期間 1週間-3カ月の通常のECBオペによって金融機関が乗り切ったと説 明。「短期金融市場の金利カーブが上方にシフトする可能性をECBが 懸念するのは新しいことではない」とも述べた。

また、米国の景気回復など外部要因が欧州の短期金融市場のボラテ ィリティを高めるようなことがあれば、ECBには行動する用意が整っ ているとも指摘。「短期市場金利を含め、ユーロ圏の金融環境を確実に 適切に保ちたいと考えている」とし、これまでのところ欧州市場は米国 での展開から自らをうまく切り離す能力や抵抗力を見せているが、今後 も「注意深く見守っていく必要がある」と述べた。

インフレ見通しへの脅威

ユーロ圏の中期的なインフレ見通しを脅かしかねない要因にも、 ECBは留意しているという。同中銀は2%弱のインフレ率を物価安定 の目安としているが、ユーロ圏のインフレ率は昨年10月から1%を下回 り、デフレが近いとの懸念も浮上した。

クーレ理事は「われわれはインフレ目標について徹底的に真剣であ り、目標は両方向について対称だということを明白にしている」と語っ た。

同理事は、ECBにはさまざまなシナリオに対処する多数の政策手 段があると繰り返した。短期金利の伝統的な誘導手段であるリファイナ ンスオペの最低応札金利は既に過去最低の0.25%となっている。

クーレ理事は通常の0.25ポイントよりも小幅な金利変更が技術的に 可能であることや、市中銀行が資金を過剰にECBに滞留させる場合は マイナス金利を課す準備があることを示唆した。中銀預金金利は現在ゼ ロ。

「純粋に運営上の観点からは、必要な場合に講じ得る措置に限界が あるとは考えていない。預金金利がマイナスになり得るということは明 瞭にしている」と述べた。

もう一つのECB政策手段であるフォワードガイダンス(時間軸政 策)については、「現行のシナリオに対する一段の下振れリスクがあれ ば考慮するということを完全に明瞭にする意味で、フォワードガイダン スを強化する準備も意思もある」と言明。「これについては今までも明 言してきたが、必要ならさらに明確にすることを全く辞さない」と述べ た。ただ、ガイダンスの中に数値目標を含めることは、18カ国から成る ユーロ圏では難しいとの考えを示した。

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