豪ドル上昇は今年も困難、豪中銀の通貨高けん制で-DIAM

DIAMアセットマネジメントは、 金融当局の通貨高けん制姿勢を背景に今年も豪ドルの上昇は見込みにく いとみている。

豪ドルは昨年、2008年以来の大幅安となったが、オーストラリア準 備銀行(中央銀行)のスティーブンス総裁は、豪ドルは高過ぎるとし、 通貨押し下げに向け口先介入を続けてきた。

DIAMアセットマネジメントの久保英也上席ファンドマネージャ ーは15日の電話取材で、「経済が相対的にそれほど強くないということ もあり、豪当局は通貨高をけん制する姿勢をより明確に打ち出してい る。利上げも相当先になりそうな形であるし、豪ドルは上がりにくいの ではないかと考えている」と語った。

スティーブンス総裁は昨年10月、「豪ドルはかなり高い確率で、将 来のある時点において現在の水準から著しく下落すると思われる」と発 言した。その後も11月、12月と政策金利を過去最低の2.5%に据え置く 中で、豪ドルが「不快なほど高い」と繰り返してきた。

総裁はまた、11月の講演で、為替介入について引き続き「オープン マインドだ」と発言。先月13日付の豪紙オーストラリアン・フィナンシ ャル・レビューに掲載されたインタビューでは、景気てこ入れのために は利下げよりも通貨安の方が望ましいとの考えを示唆し、豪ドルの妥当 な水準について「1豪ドル=0.85米ドルの方が0.95米ドルよりもその水 準に近いと考えている」と語った。

弱めのバイアス

ブルームバーグがまとめた為替予測調査によると、豪ドルは14年末 に0.86米ドル(予想中央値)まで下落すると予想されている。豪ドル は16日に対米ドルで約3年ぶり安値となる0.8777米ドルまで下落。昨年 は14%下げ、年間で20%安だった08年以来の大幅安となった。

一方、大和住銀投信投資顧問債券運用部外国債券運用グループの片 山恵ファンドマネジャーは15日の電話取材で、最終的には豪ドル建て資 産が魅力的な投資先となるが、今のところは豪中銀の豪ドルに対する方 針次第だと語った。片山氏は昨年9-10月に豪ドル建て資産の保有を減 らしたが、先月豪ドル資産を購入し、ポジションを中立にしたと言う。

豪ドルは12年末までの4年間に対ドルで50%近く上昇。豪州が09年 の世界的なリセッション(景気後退)からの大打撃を免れたことや、中 国主導の商品投資ブームが成長を促したことが背景だったが、豪ドル高 は国内の製造業を圧迫し、雇用喪失にもつながった。

オーストラリア統計局が16日発表した昨年12月の雇用者数は市場予 想に反して減少し、失業率は5.8%と09年6月以来の高水準。12月のフ ルタイム雇用者数は3万1600人減少。昨年1年間では6万7500人減少 し、豪州が前回リセッションから回復した1992年以来の大幅減だった。

金利スワップデータによると、豪中銀が年央までに政策金利を引き 下げる確率は16日時点で4割程度と、1週間前の2割程度から上昇し た。資源投資ブームが衰える中、豪中銀は11年11月から昨年8月までに 合計2.25ポイントの利下げを実施してきた。ブルームバーグのエコノミ スト調査によると、豪州経済の実質成長率は今年2.7%となり、15年は 3%に加速すると予想されている。

DIAMの久保氏は、「恐らく2、3年後には豪景気が潜在成長の 方向に向かって戻っていくので、ある程度通貨高容認という格好にはな ってくるだろう」と語る。ただ、今年は潜在成長率を下回るとし、「豪 ドルは米ドルに対してやや弱めのバイアスと考えている」と語った。

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