IMF専務理事:先進国はデフレの「鬼」と断固戦う必要ある

国際通貨基金(IMF)のラガルド 専務理事は15日、先進国の政策担当者に対し、世界経済の弱々しい回復 を脅かしかねないデフレリスクと戦うよう訴えた。

IMFは最新の世界経済見通しを約1週間後に発表する。ラガルド 専務理事は先進国経済に弾みがつき、昨年後半の勢いが2014年にさらに 強まると予想。IMFは1月21日に世界経済の成長率予想を引き上げる 予定だが、約4%の潜在成長率はなお下回ると語った。

米国と日本、ユーロ圏の中央銀行は事実上のゼロ金利政策や債券購 入プログラムなどを通じて成長加速を目指しているものの、インフレ率 は中銀目標を下回っている。ラガルド専務理事は「極度の低温状態から は脱した」としながらも、世界の成長は「あまりに低調で脆弱(ぜいじ ゃく)であり、まだら模様だ」と述べ、約2億人分の雇用が不足してい るとの認識を示した。

ワシントンのナショナル・プレス・クラブでこの日講演したラガル ド専務理事は「世界的なインフレという魔物が瓶から出てくるのを心配 する必要が出てくる前に世界が雇用をさらに創出することは可能だ。イ ンフレは多くの中銀の目標を下回っており、デフレリスクが高まりつつ ある。これは景気回復にとって災いとなりかねない」と指摘。「インフ レが魔物だとすれば、デフレは断固として戦わなければならない鬼だ」 と主張した。

緩和縮小

同専務理事は先進各国の中銀に対し、「力強い経済成長がしっかり 定着する」まで資産購入など非伝統的金融政策の終了を見合わせるよう 提言した。

米国については、「金融政策による景気支援策の解除を早まらず、 債務上限問題の脅威を早急に取り除くことなどによって秩序ある財政プ ロセスを回復することが極めて重要になる」と発言。今月から始まった 米連邦準備制度による債券購入の縮小を投資家はこれまでのところ冷静 に受け止めているものの、「荒波がまだ待ち受けている可能性がある」 と警告した。

ラガルド専務理事は欧州中央銀行(ECB)の金融政策に関して、 的を絞った融資を含めてもっとできることがあると述べ、「ユーロ圏は リセッション(景気後退)を脱して回復に向かいつつあるが、なお成長 は不安定で失業率は心配なほど高い。好調な国もあるが、高債務や信用 逼迫(ひっぱく)に苦しむ国もまだある」と分析した。

日本の安倍晋三首相と日本銀行の黒田東彦総裁は、15年続いたデフ レを克服するための対策を講じているが、ラガルド専務理事は日本の当 局者による景気浮揚を目指す動きの前進を称賛する一方、さらにできる ことがあると語った。

専務理事は、デフレ克服や成長促進に必要な社会・経済改革および 中期的な財政再建で合意することが日本の課題だと指摘し、働く女性の 割合を高める改革に言及した。

原題:Lagarde Warns Officials to Fight Deflation ‘Ogre’ Decisively (2)(抜粋)

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