米国債:続落、指標が景気改善を示唆-10年債利回り2.89%

15日の米国債は続落。この日発表さ れた経済統計が景気の回復を示唆したことから、米金融当局は緩和策の 縮小を進めるとの見方が強まった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が15日公表した地区連銀経済報告 (ベージュブック)で米国大半の地域の景気が「まずまず」のペースで 拡大したことが示されると、10年債利回りは上げ幅を縮小した。この日 は一時、ニューヨーク連銀が発表した1月の同地区の製造業景況指数が 約2年ぶり高水準となったほか、昨年12月の米生産者物価が3カ月ぶり に上昇したことを手掛かりに米国債が下げていた。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏は、「良好な統計が影響している」と述べ、「今後数 カ月間で経済統計がどう動くかを見極めるまで相場に大きな変化はない だろう。10年債利回りは2.75-3%のレンジだ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の2.89%。同年債(表面利率2.75%、2023年11月 償還)価格は5/32下げて98 25/32。

米政府債のディーラー間ブローカーで最大のICAPによると、米 国債の売買高は3510億ドルと、前日の2890億ドルから増加した。年初来 の平均は2937億ドルとなっている。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのMOVE指数 は60.81。今月13日には8週間ぶり低水準の58.92だった。過去1年間の 平均値は71.7。

利上げ見通し

トレーダーの動向によると、2015年1月の米連邦公開市場委員会 (FOMC)会合までに当局が利上げに踏み切る確率は26%。10日時点 は22.9%だった。

10日に労働省が発表した昨年12月の雇用統計によると、非農業部門 雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比7万4000人増加した。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は19 万7000人増だった。年間での雇用増は220万人と、2005年以降で最大だ った。

シカゴ連銀のエバンス総裁は、金融当局による債券購入ペースの減 速について、政策金利をより長期にわたりゼロ付近にとどめる政策に重 点をシフトさせる動きと捉えるべきだとの見解を示した。総裁はこれま で、過去最大規模の景気刺激策を支持している。

エバンス総裁はアイオワ州コーラルビルで講演。債券購入縮小につ いて「この決定は、景気刺激面で緩和策全般を弱めても良いと当局が考 えたということではない」と指摘。「実際に金融政策の効果が増し、景 気回復が勢いを強めているのであれば、伝統的な短期金利の政策手段で あるフェデラルファンド金利をより活用することが理にかなう」と述べ た。

ベージュブック

ベージュブックでは「経済見通しは大半の地区で明るかった。一部 地区は『ほぼ変わらない』との予想を示したが、成長加速を見込む地区 もあった」と記された。

ニューヨーク連銀が発表した1月の同地区の製造業景況指数は12.5 と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値 の3.5を大きく上回った。同指数はゼロが景況の拡大と縮小の境目を示 す。

労働省が発表した昨年12月の生産者物価指数(PPI)全完成品は 前月比0.4%上昇。前月は0.1%の低下だった。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト予想によると、16日に発表される12月の消費 者物価指数(CPI)は前年比で1.5%上昇が見込まれている。

トレーダーのインフレ見通しの指標となる10年債と同年限のインフ レ連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は2.27 ポイントと、前日の2.25ポイントから拡大した。

原題:Treasuries Decline as Reports Add Signs of Economic Improvement(抜粋)

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