アイシン:電子関連企業に関心、買収も視野-自動運転車見据え

トヨタ自動車グループの部品メーカ ー、アイシン精機の藤森文雄社長は、電子関連メーカーの技術の取り込 みにM&A(企業の合併・買収)を含めて関心を持っていることを明ら かにした。急速に進展している自動車の電子化に対応する狙いがある。

藤森氏は愛知県刈谷市の本社での8日のインタビューで、アイシン にない技術を持っているメーカーと「提携するなり共同開発するなり、 場合によってはM&Aも視野に入れている」とした上で、具体的に興味 がある分野としては「電子系がらみのところ」とした。

最近の自動車には自動ブレーキによる衝突防止システムが普及して きているほか、車が自ら走行路や障害物を認識してハンドルを操作する など自動運転技術の実用化に国内外のメーカーが取り組んでいる。こう した技術ではさまざまな電子部品が使用されており、自動車部品メーカ ーも対応を迫られている。トヨタグループの部品メーカーでは最大手の デンソーが昨年、家電メーカーで電子部品も手掛けるシャープの第三者 割当増資に応じて25億円を出資している。

藤森氏によると、トランスミッションやブレーキなど伝統的な自動 車部品を多く手掛けるアイシンは電子系の製品開発にも力を入れている ものの、自社で「すべてやれるわけではない」と指摘。例えば自社で手 掛けている駐車支援システムで、センサー関連の優れた技術を他社から 取り込んで性能向上に役立てるなど、車の快適性や利便性の向上に貢献 したいと話した。

共同開発や提携も

その藤森氏は昨年のインタビューで、アイシンは自前主義の会社で M&Aに積極的でなかったが、海外展開を加速させる中でその姿勢を転 換し、今では視野に入れるようになったとしていた。興味がある分野と して、この時点では金型成形の一つであるダイカスト事業を挙げてい た。

藤森氏は現時点で進行している具体的な案件はないとも述べ、買収 であれば1000億円を超える規模の案件は「サイズ的に大きすぎる」と話 した。M&Aがお互いに補完関係がない限り難しい面もあり、共同開発 や提携関係の方がやりやすい可能性もあるとした上で、デンソーとシャ ープの資本提携のような「イメージも視野に入れている」と述べた。

自動車調査会社、カノラマの宮尾健アナリストは、背景として「車 の電子化がここにきて加速している面もある」とし、「アイシン精機は デンソーなどに比べ、電子系が若干弱い印象があり、そこを補完する意 味もある」と指摘。その上で、「余力があるということではないか。利 益を出して税金で払うよりもその分どこかに投資して自社にない技術を 取り込む狙いがあるのでは」との見方を示した。

アイシン株価の15日午前終値は前日比1.4%高の4135円。昨年1年 間の上昇率60%はトヨタ株と同じで、TOPIXの51%を上回ってい た。

--取材協力:. Editors: 浅井秀樹, 宮沢祐介

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