過去最大の経常赤字、燃料需要で11月-「貿易立国揺らぐ」と甘利氏

海外とのモノやサービスの取引を示 す経常収支は昨年11月実績で、比較可能な1985年以降で過去最大の赤字 になった。円安に加えて原粗油や液化天然ガス(LNG)の燃料需要が 高かった上に堅調な内需で大幅な貿易赤字になったのが背景。

財務省が14日発表した国際収支(11月速報)によると、経常収支 は5928億円の赤字と2カ月連続の赤字。前月は1279億円の赤字。貿易収 支は1兆2543億円の赤字と17カ月連続の赤字で11月としては過去最大。 内訳は輸出が前年同月比17.6%増の5兆6316億円、輸入が同22.1%増の 6兆8859億円で11月としては最大だった。

海外投資からの収益を示す所得収支は9002億円と前年同月比0.8% 増にとどまり、5カ月ぶりに1兆円台を割り込んだ。所得収支は年末に かけて、企業の9月中間決算後の配当金の支払いにより証券投資収益が 減少する季節性要因があり、11月の経常赤字拡大の一因となった。

甘利明経済再生相は午前の閣議後会見で経常赤字について「貿易立 国の原点が若干揺らいでおり、これからも注意が必要だ」と指摘。今回 の結果を深刻に受け止め、輸出環境整備による貿易赤字幅の縮小と投資 収支の黒字拡大によって根本原因の解消に取り組むべきだとした。

金融市場では、海外で上昇した円が反落。経常収支が予想を上回る 赤字となったことなどで円売りが優勢となっている。これを受けて日本 株も下げ幅を縮小している。ブルームバーグ・ニュースが集計した経常 収支のエコノミスト予想中央値は3689億円の赤字だった。

麻生太郎財務相は「原油やLNGの急増が一番大きな理由。このこ とろが解消されない限り黒字化は急激に認められる」と指摘した上で 「総合的にエネルギー政策を考えなければ今の経常収支に及ぼす影響は 大きい」との認識を示した。

--取材協力:. Editors: 上野英治郎, 谷合謙三、持田譲二

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