UBSが狙う124兆円ロンドン富裕層資産-秘密主義崩壊に対応

スイス最大の銀行UBSは、英国 の顧客資産が今年拡大すると見込んでいる。ウェルスマネジメント(富 裕層向け資産運用)に携わるスイスのライバル行は自国での解約を埋め 合わせるため、1兆2000億ドル(約124兆円)の規模を誇るロンドンの プライベートウェルス(個人資産)市場参入を目指している。

ウェルスマネジメント世界最大手であるUBSの英国プライベート バンク責任者、ジェイミー・ブロデリック氏は電話インタビューで、英 国の顧客資産額が、新規資金の純流入分を含めて今年40億ポンド (約6790億円)増えるとの見通しを示した。同氏によれば、英国部門の 資産額は昨年1-9月に15%増加し、310億ポンドに達した。

スイスが約2兆2000億ドル相当の資産を擁する世界最大の国際ウェ ルスマネジメント・センターの地位を確立した背景には、銀行が顧客の 秘密を守る伝統があった。しかし、世界的な租税回避の取り締まり強化 の動きには逆らえず、顧客の秘密を保護する法律を骨抜きにする方向に 政府が動いた。このため、欧州の顧客はチューリヒやジュネーブから資 金を引き揚げ、スイスの銀行は海外のウェルスマネジメント事業拡大に 目を向けざるを得なくなった。

メディオバンカのアナリスト、アレビゾス・アレビザコス氏(ロン ドン在勤)は「スイスにおける未申告のマネーをめぐる課税の状況は明 らかだ。その一方で、国際センターとしてのロンドンの魅力がウェルス マネジメント業務を行うスイスの銀行を引き寄せている」と指摘する。

エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グループは昨年11月、富裕層の 個人や企業家をロンドンのプライベートクライアント部門に引き付ける 狙いからバンカーの採用に踏み切ったと発表。一方、ジュリアス・ベ ア・グループは昨年、バンク・オブ・アメリカ(BOA)との2012年の 合意に基づき、メリルリンチ・ロンドンの金融アドバイザーの統合に着 手し、クレディ・スイス・グループもモルガン・スタンレー傘下の英国 のプライベートバンクを吸収した。

原題:London Wealthy Courted by UBS as Swiss Banks Pursue U.K. Growth(抜粋)

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