「金融界の重鎮」フィッシャー氏、円滑な量的緩和縮小に貢献へ

米連邦準備制度理事会(FRB)の 副議長としてスタンリー・フィッシャー氏(70)が正式に就任した場 合、FRBは世界的に広い人脈を持ち、信任も厚い金融界の重鎮を得る ことになる。米金融当局は過去最大規模の量的緩和策の縮小を始めたと ころであり、国外市場の動揺が警戒されている。

当局が債券購入の縮小を開始する中でフィッシャー氏は10日、 FRB副議長に指名された。量的緩和縮小やいずれ始まる金融引き締め の影響で、新興市場では混乱が生じる恐れがある。米国での金利上昇 は、高利回りかつ高リスクの株式・債券からの投資資金流入につながる ためだ。バーナンキ議長は昨年9月、そうした影響が広がる可能性を認 識し、「非常に注意深く状況を見守っている」と述べた。

フィッシャー氏は過去四半世紀の大半において、世界各国の経済政 策策定に大きく貢献してきた。1990年代には国際通貨基金(IMF)の ナンバー2として、メキシコやブラジルの救済にも携わった。FRB副 議長指名が上院で承認されれば、同氏の経験はFRBが政策の諸外国へ の影響を監視する上でプラスになるほか、FRBの政策意図や目標を説 明する大使としての役割も果たせるようになる。

FRBの元副議長で、現在ブルッキングス研究所の上級研究員を務 めるドナルド・コーン氏は「フィッシャー氏は世界のセントラルバンカ ーの半数を養成した人物だ。良く理解している」と評価。さらに「世界 中で大いに尊敬されている。セントラルバンカーだけでなく、財務相や 首相からもだ」と加えた。

ホワイトハウスの声明によればオバマ大統領はまた、現在空席とな っている理事に元財務次官のラエル・ブレイナード氏を指名。パウエル 理事は再指名され2期目を務める。

豊富な国際経験

世界経済の見通しは依然として不透明感が強い。米当局は銀行規制 において国境を越えた協調の強化を目指している。今回の指名はそうし た状況の中で行われた。また世界的に中銀のリーダーとして国際経験豊 かな人物を求める傾向が広がっており、指名はそうした流れに沿ったも のともいえる。

英政府はカナダ銀行(中央銀行)の総裁を務めていたマーク・カー ニー氏をイングランド銀行の総裁に起用。また昨年インド準備銀行の総 裁に就任したラグラム・ラジャン氏は、IMFの元チーフエコノミスト だ。このほか世界銀行の元幹部だったグレーム・ウィーラー氏は2012年 にニュージーランド準備銀行に総裁として迎えられた。

IMFで筆頭副専務理事を務めたジョン・リプスキー氏は、「世界 の経済・市場に関する彼らの知識や意識の高さ、さらに世界の政策当局 者との親交の深さは支持する根拠になる」とし、さらに他の資質も持ち 合わせていると加えた。

原題:Fischer as Financial Statesman May Help Fed Smooth QE Unwinding(抜粋)

--取材協力:Simon Kennedy. Editors: Brendan Murray, Chris Wellisz

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