【今週の債券】長期金利0.6%台の下限探る、米雇用統計でリスクオフ

今週の債券市場で長期金利は0.6% 台で低下余地を探る推移が予想されている。前週末の米国市場では予想 を下回る雇用統計を受けてリスクオフ(回避)の動きが強まり、米10年 国債利回りは急低下した。こうした流れを引き継いで、国内長期金利に も低下圧力が掛かりやすいためだ。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが10日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.65%-0.75%となった。前週末終値は0.695%だった。

名実ともに2014年相場入りとなった前週の長期金利は0.6%台後半 から0.7%台前半で推移した。国内株価が年明け後に大幅下落したこと や外国為替市場での円安一服を背景に買いが優勢となり、8日には2週 間ぶり低水準の0.685%まで下げた。その後は売りに押されて0.70%前 後でもみ合った。

前週末に発表された昨年12月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者 数は前月比7万4000人増と伸びが20万人程度とされた市場予想を大幅に 下回った。米雇用情勢の不透明感から量的緩和策の縮小ペースが緩やか になるとの見方が強まり、米10年国債利回りは2.8%台に急低下した。 外国為替市場で円は対ドルで大幅に上昇した。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「年初からのリスクオ フが予想外に長引いており、米連邦準備制度理事会(FRB)が時間軸 (市場が織り込む利上げまでの時間)の短縮化に歯止めを掛けるまで、 日本国債では金利上昇の芽は出てこないだろう」と予想している。

30年債入札

15日に30年利付国債(1月債)の価格競争入札が行われる。発行額 は6000億円程度。前回入札された41回債と銘柄統合するリオープン発行 となり、表面利率(クーポン)は1.7%。新発30年債利回りは昨年12 月17日に3カ月ぶり高水準の1.76%を付けたが、その後は徐々に水準を 切り下げ、前週末は1.69%で取引を終えた。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は中心限月の3月物、10年国債利回りは332回債。

◎三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジスト

先物3月物143円50銭-144円25銭

10年国債利回り=0.65%-0.73%

「長期金利は昨年末から上昇してきたが、目先は押し目買いが入 り、横ばい圏から低下しての推移が見込まれる。米企業の決算発表が始 まるものの、1月末がピークでまだ市場に方向性を与える展開にはなり にくい。30年債入札については、波乱は起きにくいだろう。イールドカ ーブがやや傾斜化してきたことや30年利回り1.7%近辺で入札を迎える ため、投資家の需要は底堅いとみている」

◎大和証券の山本徹チーフストラテジスト

先物3月物143円60銭-143円90銭

10年国債利回り=0.69%-0.72%

「30年債入札は消化に問題はないとみている。足元では昨年末のリ スクオン(選好)ムードが一服。グローバル・リスクオンの象徴として 注目される日本株は、米国の低金利環境が長く続くという大前提が揺ら げば悪影響を受けやすいことは注意が必要だ。FRBがイエレン体制に なってフォワードガイダンスを再構築し、米国金利がもっと安定しない と株式市場も勢いがつきづらい面はあるだろう」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー

先物3月物143円20銭-144円10銭

10年国債利回り=0.67%-0.75%

「日銀の長期国債買い入れオペがサポート要因となろうが、国債入 札が続くことから需給はやや緩和しそう。3月まで見据えても、期末接 近で投資家の需要が減退する中では、日銀による追加緩和期待があって も金利は上昇方向とみており、10年債利回りは0.6-0.9%程度のレンジ を想定している。0.6%台からでの低下余地は限定的とみている」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎 Editors: 崎浜秀磨, 山 中英典 ‘

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