1月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、雇用が小幅な伸び-緩和縮小観測が後退

ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨中で1通貨を除き全 てに対して値下がり。昨年12月の米雇用者数が2年ぶりの小幅な伸びに とどまったことから、金融当局が債券購入縮小を継続するとの観測が後 退した。

ドルは先進国通貨のバスケットに対し4カ月ぶり高値付近から下 落。米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月、量的緩和プログラムの 道筋について話し合う。新興市場通貨のバスケットは上昇し、米国債利 回りは大幅に低下した。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏は「ドルはほとんどの通貨に対して下げた」と指摘。8日発表され た民間雇用の統計は「今回の雇用統計が全般的に良い内容になるとの市 場の期待を強めた。だが実際は違った。加えて、ここ1週間ほどの動き の反動もあった」と加えた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.4%低下 の1023.77。一時0.2%高の1030.38を付けた。前日には一時1030.42と、 9月9日以来の高水準に上げた。

ドルは対円で0.6%安の1ドル=104円18銭。対ユーロでは0.5%下 げて1ユーロ=1.3670ドル。円は対ユーロで0.2%上昇し1ユーロ=142 円39銭。

米10年債利回りは11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低 下の2.86%。2年債利回りは6bp下げて0.37%。

新興市場通貨

キャリートレードの指標となるBRICS(ブラジル、ロシア、イ ンド、中国、南アフリカ)通貨の加重平均バスケットは95.60に上昇。 昨年5月には101.5の高水準を付けていた。

南アフリカ・ランドは1.4%上昇の1ドル=10.6435ランド。前日に は10.8353ランドと、2008年10月以来の安値に下げた。ブラジル・レア ルは1.4%高の1ドル=2.3584レアル。

ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の マネジングディレクター、ブラッド・べクテル氏は「雇用者数の伸びは 市場予想を大きく下回った」とし、今回の統計は「ドルにネガティブ、 新興国通貨にはポジティブだろう」と分析した。

ドル・円相場

円は週間ベースで2週連続高。ただゴールドマン・サックス・グル ープは円に対する弱気姿勢を強めている。ゴールドマンは現在、円がド ルに対し向こう1年間で110円に下げると予想。従来予想は107円だっ た。同社は9日付リポートで、各国の中央銀行が日本銀行より先に利上 げを始め、金利差が広がる可能性が高いと記している。

日銀は12月に開いた金融政策決定会合で、「マネタリーベースが年 間約60兆-70兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行 う」方針を据え置いた。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏 (ニューヨーク在勤)は「対円でのドル相場は恐らく最も影響を受けや すいだろう。ドルのロングポジションが最も大きいためだ」と述べた。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、円の対ドルで のネットショートは12月24日に2007年以来の高水準となった。ヘッジフ ァンドなど大口投機筋の対ドルでの円先物の売越幅は14万3822枚だっ た。

原題:Dollar Drops Versus Major Peers as Jobs Decline Damps Taper Bets(抜粋)

◎米国株:上昇、雇用統計で緩和縮小ペース加速懸念が後退

10日の米国株は上昇。S&P500種株価指数は週間ベースで上昇し た。12月の米雇用統計で雇用者の増加幅は予想を下回り、米当局が緩和 策の縮小ペースを加速させるとの懸念が後退した。

公益株や通信株など、高配当株は上昇。債券利回りが低下し、配当 収益の魅力が高まった。アルミ生産のアルコアは下落。四半期決算が嫌 気された。百貨店のシアーズ・ホールディングスは大幅下落。同社第4 四半期決算は赤字との見通しを示し、ホリデーシーズンの販売落ち込み を明らかにしたことが売りにつながった。

S&P500種株価指数は0.2%上げて1842.37。週間ベースでは0.6% 上昇した。ダウ工業株30種平均は7.71ドル(0.1%未満)下げ て16437.05ドル。

プルデンシャル・ファイナンシャルの市場ストラテジスト、クイン シー・クロスビー氏は雇用統計について、「実は市場にとってこれは明 るいニュースになり得る」と述べ、「今回の発表分が上方修正されなけ れば、米当局は引き続き早急な緩和策の縮小には慎重になるだろう」と 続けた。

米雇用統計

米労働省が発表した12月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比7万4000人の増加。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は19万7000人増だ った。前月は24万1000人増(速報値20万3000人増)に上方修正された。

家計調査に基づく失業率は08年10月以来の低水準となる6.7%に低 下した。労働参加率の低下が影響した。

次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合は1月28-29日に開 かれる。前回の会合では月間資産購入額を750億ドルと、100億ドル縮小 することを決定した。

金融当局による3度の資産購入措置を背景に、S&P500種は2009 年に記録した12年ぶりの安値から最大172%戻した。

ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクで1700億ドルの運用を 監督するロン・フロランス氏(アリゾナ州スコッツデール在勤)は電話 取材に対し、「すべてか完璧にいくとの想定が相場に織り込まれてい た」と述べた上で、「それが今回の統計で完璧ではないことが分かっ た。回復はまだ途上であり、ボラティリティーは今後高まると予想して いる」と続けた。

S&P500種採用企業のPER

ブルームバーグがまとめたデータによると、S&P500種指数の株 価収益率(PER、予想ベース)は15.6倍と、過去5年間の平均値14.1 倍を上回っている。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想による と、S&P500種採用企業の今年の増益率は平均で9.5%と、前年のほぼ 2倍が見込まれている。売上高は3.9%増が予想されている。

JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BOA)、ゴ ールドマン・サックス・グループはいずれも来週に四半期決算を発表す る。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)は5.8%低下の12.14。

S&P500種産業別10指数では公益や通信など9指数が上昇した。 S&P500種採用の住宅建設株で構成する指数は1.3%上昇。借り入れコ ストの低下が住宅市場の需要を押し上げるとの楽観が買い材料となっ た。

アルコアは5.4%安。2013年10-12月(第4四半期)決算は調整後 の利益がアナリストの予想を下回った。航空業界向け製品の供給過剰が 響いた。

シアーズは14%の急落。エドワード・ランパート最高経営責任者 (CEO)は売り上げ減が続く中で、資産を圧縮し、店舗売却などを進 めている。

原題:U.S. Stocks Rise as Jobs Report Fuels Optimism on Stimulus Pace(抜粋)

◎米国債:続伸、予想下回る雇用増-緩和縮小加速の観測後退

米国債相場は続伸。利回りは昨年9月以来の大幅低下となった。米 雇用者の伸びが市場予想を下回ったことを背景に、債券購入縮小ペース の加速を見込んでいた取引が解消された。

雇用市場がこれまでの想定ほど力強くない可能性を示す指標を受 け、国債相場は上昇した。10年債利回りは今月に入って2011年7月以来 の高水準に上昇していた。先物の動向によれば、2015年1月に利上げが 始まる確率が低下した。ブルームバーグ米国債指数によると、米国債の 昨年のリターンはマイナス3.4%だった。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの米金利セールス責任者、 トーマス・ディガロマ氏は「雇用統計の弱い内容はかなり意外だった。 もっと楽観的な内容を期待する声が多かっただけに、米国債利回りの重 しになっている」と指摘。「投資家は利回り上昇と良好な統計に備えて いたが、実際はそうならなかったため、買いを余儀なくされている。単 一の数字がトレンドを形成することはないが、労働市場に全ての注目が 集まるだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比11ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.86%。同年債(表面利率2.75%、2023年11月償 還)価格は29/32上昇し99 2/32。利回りは2日に3.05%と、2011年7月 以来の高水準を付けた。

5年債利回りは13bp低下の1.62%と、日中ベースでは昨年9月18 日以来の大幅低下となった。

先物ポジション

米商品先物取引委員会(CFTC)の週間建玉報告によると、ヘッ ジファンドなど大口投機家による30年債先物の持ち高は7日終了週に買 越幅が拡大した。ロング(買い持ち)はショート(売り持ち)を4 万5325枚上回り、2012年12月以来の高水準となった。

一方、同10年債先物はショートがロングを12万8045枚上回った。売 越幅は前週から4万5629枚縮小した。

米労働省が発表した昨年12月の雇用統計によると、非農業部門雇用 者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比7万4000人の増加。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は19万7000人 増だった。家計調査に基づく失業率は08年10月以来の低水準とな る6.7%に低下した。

先物の動向を基にブルームバーグがまとめたデータによると、米連 邦公開市場委員会(FOMC)が2015年1月までに政策金利を引き上げ る確率は23%と、前日の31%から低下した。昨年11月末時点では11%だ った。

「15年末までの利上げなし」

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、12月の米雇 用者数の伸びは予想を下回ったものの、米金融当局は引き続き量的緩和 (QE)を今年中に終了させる想定だろうとの見方を示した。

グロース氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、「当局 は2014年末までのQE終了を望んでいると確信する」と述べた。その上 で、「15年末までに利上げ実施ということはないだろう」との見通しも 示した。

FOMCは1月から月額の債券購入を750億ドルに縮小した。従来 は850億ドルだった。ニューヨーク連銀はこの日、償還期限が2020年6 -12月の国債33億ドル相当を買い入れた。FOMCは1月28、29両日に 次回会合を開く。

ジェフリーズの政府債務担当エコノミスト、トーマス・サイモンズ 氏は「今回の統計を受け、当局にとっては1月の緩和縮小決定が困難な ものになる」と話した。

原題:Treasuries Rally as Below-Forecast Jobs Growth Trims Fed Views(抜粋)

◎NY金:続伸、1週間ぶり大幅高-米雇用の伸び予想下回る

ニューヨーク金先物相場は続伸。1週間ぶりの大幅高となった。米 雇用者の伸びが市場予想を下回ったことを背景に、金融当局による緩和 縮小のペースが緩やかになるとの観測が強まった。

RJオブライアン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品 ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「成長に 関する懸念が再燃しており、安全資産への逃避が見られる」と指摘。 「緩和縮小を先延ばしするとの観測が再び広がっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2 月限は前日比1.4%高の1オンス=1246.90ドルで終了。2日以来の大幅 上昇となった。一時は0.2%下げた。

原題:Gold Futures Jump Most in a Week as U.S Payrolls Trail Forecast(抜粋)

◎NY原油:反発、雇用統計で緩和縮小継続への観測が後退

ニューヨーク原油先物相場は反発。1カ月ぶりの大幅高となった。 米雇用者数の伸びが予想を下回り、金融当局が緩和縮小をさらに進める との懸念が弱まったことが買いを誘った。中国の原油輸入が過去最高に なったことも買い材料。

IAFアドバイザーズ(ヒューストン)の商品調査ディレクター、 カイル・クーパー氏は「金融当局は恐らく引き締めを急がず、しばらく は非常に緩和的な姿勢を維持するだろう」と指摘。「中国のデータは世 界の石油需要がまだ強いことを示唆している。過去数日に8ドル下落し ていたため、この日は若干戻したにすぎない」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比1.06ドル(1.2%)高の1バレル=92.72ドルで終了。昨年12月10日以 来の大幅高となった。週間では1.3%の値下がり。

原題:WTI Crude Rises Most in a Month as Jobs Data Limits Fed Concern(抜粋)

◎欧州株:上昇、米雇用統計に注目-週間ベースでもプラス

10日の欧州株式相場は上昇。雇用ペースが鈍化した一方で、失業率 の低下を示す米雇用統計が注目された。指標のストックス欧州600指数 は今年初めての週間プラスとなった。

スイスの時計メーカー、スウォッチ・グループは11カ月ぶりの大幅 上昇。2014年は「ダイナミックな成長」を遂げるとの見通しが好感され た。ドイツの小売り大手メトロは2.8%高。一部事業の売却を同社の筆 頭株主であるフランツ・ハニエルが求めると一部で報じられた。フラン ツ・ハニエルはこれを否定している。一方、ドイツの化学品販売会社、 ブレンタグは2.4%下落。同銘柄の投資判断をUBSが引き下げた。

ストックス欧州600指数は前日比0.5%高の329.95で終了。2008年5 月以来の高値を更新した。今週は0.7%上昇。ドイツ失業者数の減少幅 が予想を超えたほか、米ADPリサーチ・インスティテュートが8日発 表した集計調査で、米民間部門の雇用者数が見込み以上に増えたことが 背景にある。

オフィ・ジェスチョン・プリべ(パリ)の運用担当者ジャック・ポ ルタ氏は「投資家らはそれほど急速ではない米景気の回復を望んでい る」とし、「失業率低下が好感されたが、それに加え、雇用者数の伸び の弱さが続いた場合、米当局が緩和縮小ペースを加速させない可能性が ある」と語った。

米労働省がこの日発表した雇用統計によると、12月の失業率は08 年10月以来の低水準となる6.7%に低下した。非農業部門雇用者数は前 月比7万4000人の増加と、エコノミスト予想を下回り、11年1月以来の 低い伸びとなった。

10日の西欧市場では18カ国中15カ国で主要株価指数が上昇。英 FTSE100指数は0.7%高となった。独DAX指数と仏CAC40指数は それぞれ0.6%上げた。

原題:European Stocks Advance as Investors Weigh U.S. Payrolls Report(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債が上昇、米雇用統計で-フランス債も上げる

10日の欧州債市場では、ドイツ国債が上昇。昨年12月の米雇用者数 が2011年1月以来の低い伸びとなったことが手掛かり。

ドイツ国債の指標である10年債は週間ベースで続伸。格付け会社ス タンダード・アンド・プアーズ(S&P)がドイツの信用格付けを最上 級の「AAA」に維持したことも支援要因。この日はフランス国債も上 げた。同国の鉱工業生産がエコノミスト予想を上回る伸びとなり、フラ ンスの資産に対する信頼感が高まった。イタリア国債も上昇。欧州中央 銀行(ECB)のドラギ総裁が長期にわたり低金利を維持するガイダン スを前日に強化したことが背景にある。

マレックス・スペクトロン・グループの金利戦略責任者、ピータ ー・オスラー氏は「一つの経済指標で米景気回復をめぐる認識が変わる とは思わないが、債券市場がこのように反応したのは理解できる」と発 言。「ECBはユーロ圏の政策金利が長期にわたり低い水準にとどまる ことを明確にした。当面、利上げのリスクはないとみている」と語っ た。

ロンドン時間午後4時32分現在、ドイツ10年債利回りは前日比7ベ ーシスポイト(bp、1bp=0.01%)低下の1.85%。週間ベースで は10bp低下と、 昨年9月27日終了週以来の大きな下げとなった。同 国債(表面利率2%、2023年8月償還)価格はこの日、0.595上げ て101.33。

米労働省発表の12月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は 前月比7万4000人の増加。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミストの予想中央値(19万7000人増)を下回る伸びだった。

フランス10年債利回りは6bp低下し2.51%。同年限のイタリア国 債利回りは1bp下げ3.92%となった。

英国債相場は上昇し、10年債利回りは先進国の国債の中でこの日最 も大きく低下した。英鉱工業生産が予想に反して横ばいとなったほか、 米雇用者数の増加ペース鈍化も手掛かり。

ロンドン時間午後4時42分現在、同利回りは11bp低下の2.88%。 これは9月24日以降で最大の下げ。前週末比では15bp下げた。同国債 (表面利率2.25%、2023年9月償還)価格はこの日、0.85上げ94.74。

原題:German Bonds Advance on Slower U.S. Job Growth, ECB Rate Pledge(抜粋) Gilt Yields Drop Most Since September on U.K. Output, U.S. Jobs (抜粋)

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