米国株:上昇、雇用統計で緩和縮小ペース加速懸念が後退

10日の米国株は上昇。S&P500種 株価指数は週間ベースで上昇した。12月の米雇用統計で雇用者の増加幅 は予想を下回り、米当局が緩和策の縮小ペースを加速させるとの懸念が 後退した。

公益株や通信株など、高配当株は上昇。債券利回りが低下し、配当 収益の魅力が高まった。アルミ生産のアルコアは下落。四半期決算が嫌 気された。百貨店のシアーズ・ホールディングスは大幅下落。同社第4 四半期決算は赤字との見通しを示し、ホリデーシーズンの販売落ち込み を明らかにしたことが売りにつながった。

S&P500種株価指数は0.2%上げて1842.37。週間ベースでは0.6% 上昇した。ダウ工業株30種平均は7.71ドル(0.1%未満)下げ て16437.05ドル。

プルデンシャル・ファイナンシャルの市場ストラテジスト、クイン シー・クロスビー氏は雇用統計について、「実は市場にとってこれは明 るいニュースになり得る」と述べ、「今回の発表分が上方修正されなけ れば、米当局は引き続き早急な緩和策の縮小には慎重になるだろう」と 続けた。

米雇用統計

米労働省が発表した12月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比7万4000人の増加。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は19万7000人増だ った。前月は24万1000人増(速報値20万3000人増)に上方修正された。

家計調査に基づく失業率は08年10月以来の低水準となる6.7%に低 下した。労働参加率の低下が影響した。

次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合は1月28-29日に開 かれる。前回の会合では月間資産購入額を750億ドルと、100億ドル縮小 することを決定した。

金融当局による3度の資産購入措置を背景に、S&P500種は2009 年に記録した12年ぶりの安値から最大172%戻した。

ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクで1700億ドルの運用を 監督するロン・フロランス氏(アリゾナ州スコッツデール在勤)は電話 取材に対し、「すべてか完璧にいくとの想定が相場に織り込まれてい た」と述べた上で、「それが今回の統計で完璧ではないことが分かっ た。回復はまだ途上であり、ボラティリティーは今後高まると予想して いる」と続けた。

S&P500種採用企業のPER

ブルームバーグがまとめたデータによると、S&P500種指数の株 価収益率(PER、予想ベース)は15.6倍と、過去5年間の平均値14.1 倍を上回っている。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想による と、S&P500種採用企業の今年の増益率は平均で9.5%と、前年のほぼ 2倍が見込まれている。売上高は3.9%増が予想されている。

JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BOA)、ゴ ールドマン・サックス・グループはいずれも来週に四半期決算を発表す る。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)は5.8%低下の12.14。

S&P500種産業別10指数では公益や通信など9指数が上昇した。 S&P500種採用の住宅建設株で構成する指数は1.3%上昇。借り入れコ ストの低下が住宅市場の需要を押し上げるとの楽観が買い材料となっ た。

アルコアは5.4%安。2013年10-12月(第4四半期)決算は調整後 の利益がアナリストの予想を下回った。航空業界向け製品の供給過剰が 響いた。

シアーズは14%の急落。エドワード・ランパート最高経営責任者 (CEO)は売り上げ減が続く中で、資産を圧縮し、店舗売却などを進 めている。

原題:U.S. Stocks Rise as Jobs Report Fuels Optimism on Stimulus Pace(抜粋)

--取材協力:Sofia Horta e Costa. Editor: Jeff Sutherland

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