ドル・円は105円に接近、米雇用統計発表控えドル買いやや優勢

東京外国為替市場でドル・円相場は 午後の取引終盤にかけて1ドル=105円台に接近した。米雇用統計の発 表を今夜に控えて、ドル買い・円売りがやや優勢となっている。

この日のドル・円は104円80銭台前半で取引開始。午前の値幅は16 銭程度と小動きな展開だった。ただ、続落して始まった日本株が午後に 入り上昇基調を強めると、相場は徐々に水準を引き上げ、一時は104円 99銭を付けた。

バークレイズ為替ストラテジストの門田真一郎氏は、「基本的には 株価と連動して動いているが、米雇用統計前なので様子見姿勢も強い。 米雇用統計は、ADP雇用統計などを受けてある程度強い数字を織り込 んでいる」と述べた。

この日の国内株式市場で日経平均株価とTOPIXはそれぞれ、前 日比31円73銭高の1万5912円06銭と同1.73ポイント高の1298.48で取引 を終了した。

ブルームバーグが集計した事前予測調査によると、日本時間午後10 時30分に発表される12月米雇用統計では、非農業部門雇用者数(中央 値)は前月比19万7000人増が見込まれている。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、「米雇用統計で非農 業部門雇用者数は20万人前後増加が予想されているが、これを超えれば ドル高になるだろう」と指摘。「円は米国株の動向次第。既に米量的緩 和縮小決定を受け、良い指標が出ても負の反応は起きず、株高で反応す るのではないか。その場合は円安基調が加速し、ドル・円は目先105 円50銭の上値抵抗線を試す展開になりそう。一方、30万人を超える増加 といった良過ぎる場合、緩和縮小スピードが加速する懸念が台頭し、株 安を誘発して円高を招く可能性もある」と語った。

米金利

FOMCが昨年12月の会合で債券購入額を毎月850億ドルから750億 ドルに縮小することを決定した議事録では、労働市場環境の改善をその 理由の一つに挙げていた。

三菱東京UFJ銀行の武田紀久子シニアアナリスト(ロンドン在 勤)は、米国の景況感の改善を背景に、「1月のFOMC(米連邦公開 市場委員会)でも追加100億ドル程度の緩和縮小ありというところにな っていくと思う」とした上で、「少なくとも今月という目線では、じわ りドル高の流れでいいのかなと思っている」と述べていた。

一方、大和住銀投信投資顧問債券運用部の外国債券運用グループの 片山恵ファンドマネジャーは、「米雇用統計前の指標は軒並み強くなっ ている。その状況で米長期金利は一時3%を付けたが大きく超えていく ような感じではない。市場は雇用回復に関して織り込んで、目線が高く なっている。20万増を少し超えた状況では金利上昇に反応しないのでは ないか」と述べた。

ユーロ

午後3時48分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.3612ドル前後 で推移している。前日の海外市場では一時1.3549ドルと、1カ月ぶりの ドル高・ユーロ安水準を付ける場面があった。欧州中央銀行(ECB) のドラギ総裁が会見で、経済成長を支えるため長期にわたり低金利を維 持する姿勢を強調したことなどが背景。ユーロ・円相場は同時刻現在、 1ユーロ=142円97銭前後で取引されている。

バークレイズの門田氏によると、「ECBは予想よりハト派的でフ ォワードガイダンスを強化し、いったんユーロが売られた後に戻ってき た。こちらも米雇用統計待ち」という。

IG証の石川氏は、ユーロ圏のディスインフレ傾向を挙げ、「イン フレ指標が1%以下で推移しており、追加緩和を意識せざるを得ない。 ユーロ圏の経済成長率はプラスに浮上したものの、依然脆弱(ぜいじゃ く)。けん引役のドイツ経済にも、中国リスクがくすぶっている。いず れECBが追加緩和策を打ち出すのは時間の問題」と分析。その上で、 「FRBが出口戦略を行っているのと方向性が逆なので、今年はユーロ が売られて、ドルが買われる展開」を見込んでいる。

中国税関総署が10日発表した昨年12月の貿易統計では、輸出が前年 同月比4.3%増と、市場予想(中央値)の5%増を下回った。輸入 は8.3%増。この結果、貿易黒字は256億4000万ドルとなった。市場予想 は321億5000万ドルだった。

--取材協力:大塚美佳、Mariko Ishikawa. Editors: 崎浜秀磨, 青木 勝

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