日産自:ダットサン利益率4-7%見込む、新興市場の試金石

日産自動車は新興市場向けに投入す る低価格ブランド「ダットサン」事業で、売上高営業利益率4-7%を 見込んでいる。ダットサンは日産、インフィニティに続く第3のブラン ド。

ダットサン事業の責任者、ヴァンサン・コベ執行役員は8日のイン タビューに、低価格ブランドでも商品力があり、正しい戦略を遂行すれ ば利益は確保できるとした上で、市場により異なるが、次世代へのモデ ルチェンジまでの期間で「4%から7%の間の利益は見込める」と述べ た。

ダットサンは今年、インド、インドネシア、ロシア、南アフリカの 4市場に投入予定。カルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)は、4 市場ではダットサンブランドの販売が日産車全体の3-5割を占める見 通しを示している。

アドバンスト・リサーチ・ジャパンの遠藤功治アナリストは「新興 市場の低価格車の利益は良くても2-3%なのが現状で、4%だと大成 功と言える」と指摘。その上で、ダットサンは今後拡大する新興市場 で、小型車がどれだけ利益を上げられるかを計る試金石であり、日産を はじめとする自動車メーカーの存続を考えたときに重要な意味を持つと 述べた。

日産は2016年度までの中期経営計画で、高級ブランドのインフィニ ティ販売拡大などにより売上高営業利益率8%を目指している。13年度 上期は5.1%(中国合弁会社比例連結ベース)にとどまった。上期の世 界販売台数(小売り)が前年同期比1.5%減と落ち込んだためで、ゴー ン氏は昨年11月の決算発表で、インドでの需要低迷やアジアでの競争激 化など新興国での販売苦戦を理由に挙げた。

ダットサンはインドで5ドアのハッチバックを40万ルピー(約67万 円)以下、インドネシアでは3列シート車種を1億ルピア(約86万円) 以下で、またロシアでは40万ルーブル(約130万円)以下で販売の予 定。南アフリカについては発表していない。

1台当たり利益は初日からプラス

コベ氏は、ダットサンの限界利益(固定費を除いた1台当たりの利 益)は販売初日からプラスだと述べた。事業全体についても、日産の設 備や部品調達・販売網などを利用し、利益を生み出しやすい環境にある という。

コスト削減に際しては「不要なものを取り除く」のではなく、「顧 客に必要なものだけを加える形」で設計段階から取り組んだと述べた。 購買層の多くがスマートフォン(多機能携帯電話)を所有している環境 では、車両にオーディオやナビゲーションシステムを付けず、スマホを 接続する機器だけを用意して、より自由に使ってもらう形にした。

また、ダットサンが市場ごとに生産・販売する地域限定車であるこ とも余分な費用発生を抑えている。例えば世界約160カ国・地域に投入 している小型車「マーチ」の場合、投入市場ごとの規制にかかる費用、 運搬費、税金などを事業全体で吸収する必要があるが、限定市場であれ ばこうした費用は省けるとコベ氏は語った。

次の市場はASEAN、アフリカ

コベ氏は、今年1年間は4市場での販売とブランド構築に注力し、 その後、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域やアフリカ諸国への販 売拡大を検討すると語った。今年投入する4カ国はいずれも人口1億人 以上を抱える巨大市場だが、ASEANやアフリカ諸国は国ごとの単位 が小さいため、慎重に検討する必要があるという考えを示した。

インド、インドネシア、ロシアの3市場での販売は、3年内に40万 台程度になるという。初年度の販売目標は明らかにしなかった。コベ氏 は、ダットサンの購入者の8-9割は初めて車を買う人で家族や友人か らの口コミ情報などに頼るため、他の市場とは違ったアプローチをしな がらブランド構築をすると述べ、日産車の購買層以外の新規開拓に意欲 を示した。

日産の株価終値は前日比1.1%高の942円。年初来では6.6%の上昇 となっている。

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