1月9日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが1カ月ぶり安値から上昇-ECBは低金利姿勢

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで一時付けた1カ月 ぶり安値から上昇。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、経済成長 を支えるため長期にわたり低金利を維持する姿勢を強調した。

ドルは主要通貨のバスケットに対して4カ月ぶりの高水準を付け た。新規失業保険申請件数の減少に反応した。米労働省はあす10日に昨 年12月の雇用統計を発表する。新興市場通貨は大きく下落。米国の雇用 が十分増加し、金融当局は世界の市場の流動性を増やしてきた債券購入 プログラムの縮小継続が可能になるとの観測が背景にある。カナダ・ド ルは4年ぶり安値に下落した。

ウエストパック銀行の北半球通貨担当チーフストラテジスト、リチ ャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)はドラギ総裁の発言に ついて、「フォワードガイダンスと低金利維持の姿勢が著しく強化され た」と指摘。「投資家は10日の米雇用統計発表を前に、ユーロのポジシ ョンをフラットにしておきたいようだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.2%高 の1ユーロ=1.3608ドル。一時1.3549ドルと、昨年12月5日以来の安値 を付けたが、100日移動平均の1.3546ドルの水準を割り込まなかった。 対円では0.2%上げて142円65銭。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル =104円82銭。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は0.1%下げて1028.21。一時1030.42と、9月9日以来の高水 準を付けた。

新興市場通貨は下落

BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)通貨 の加重平均バスケットはドルに対して94.76と、9月10日以来の低水準 に下落。昨年5月には101.5の高水準を付けていた。

シティグループのマクロ戦略責任者ジェレミー・へイル氏(ロンド ン在勤)は9日付のリポートで、「為替に関して当社が広く注目してい るのはドルの普遍的な強さというよりも、G10通貨と比較した新興市場 通貨の弱さだ」と指摘した。

南アフリカ・ランドは対ドルで0.2%安の1ドル=10.7962ランド。 一時10.8353ランドと、08年10月以来の安値を付けた。

カナダ・ドルは09年以来の安値に下落。雇用の伸び鈍化を受け、カ ナダ中銀が利下げ検討に傾くとの観測が広がっている。

カナダ・ドルは0.2%安の1米ドル=1.0842カナダ・ドル。一 時1.0875カナダ・ドルと、09年10月以来の安値を付けた。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は33万件と、前週の34万5000件(速報値33万9000件)から1万5000件減 少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央 値は33万5000件だった。ブルームバーグが実施した調査によれば、労働 省が10日発表する12月の雇用統計では雇用者数の19万6000人増加が予想 されている。11月は20万3000人だった。

「より強い文言」

ユーロは早い段階ではドルに対して下落していた。ドラギ総裁は ECBが「フォワードガイダンスの強化を示すより強い文言」を意識し たと説明。ECBは政策委員会で、短期金利の調節手段である短期買い オペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ)の最低応札金利を過去最 低の0.25%で据え置くことを決めた。ブルームバーグ・ニュースがエコ ノミスト51人を対象に実施した調査で全員が予想していた通りだった。

ドラギ総裁は「景気回復は輸出のみに頼った成長から徐々に内需へ と広がりつつあるが、勝利宣言をするのは時期尚早だ」と述べた。

原題:Euro Rises From Lowest in Month as Draghi Strengthens Pledge(抜粋)

◎米国株:ほぼ変わらず、雇用統計控え緩和縮小加速を警戒

9日の米国株はほぼ変わらず。小売株は売られた。10日発表の雇用 統計を控えて、投資家は米金融当局による緩和策縮小のペース加速を警 戒している。

家庭用品小売りのベッド・バス・アンド・ビヨンドと、ランジェリ ー店チェーン「ビクトリアズ・シークレット」を展開するLブランズは いずれも下落。業績見通しが嫌気された。一方、百貨店のメーシーズと JCペニーは上昇した。

S&P500種株価指数は1ポイント未満上げて1838.13。ダウ工業 株30種平均は17.98ドル(0.1%)下げて16444.76ドル。

グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツのウォルター・トッド 最高投資責任者(CIO)は、「10日の雇用統計で大幅な雇用増が示さ れるとの見方がある」と述べ、「そうなれば、量的緩和の終了に向けた 工程表が変化する可能性もある」と続けた。

S&P500種は年初から0.6%安。昨年は30%高と、1997年以来で最 も高い年間上昇率を記録した。金融当局による3度の資産購入措置を背 景に、S&P500種は2009年に記録した12年ぶりの安値から最大173%戻 した。

前日の米国株は下落。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した 連邦公開市場委員会(FOMC、昨年12月17-18日開催)議事録の内容 を受けて、緩和策縮小のペースが加速する可能性があるとの見方が強ま った。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は33万件と、前週から1万5000件減少した。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト予想の中央値は33万5000件だった。労働省の報 道官は統計発表時に、ホリデーシーズン後は臨時雇用者が解雇されるこ とから、統計は変動が大きくなる可能性があると説明した。

雇用統計予想

ブルームバーグがまとめた予想の中央値によると、10日発表の雇用 統計では12月は19万7000人の雇用増が見込まれている。

アルミ生産のアルコアは下落。引け後に発表した同社の第4四半期 (10-12月)決算は、利益がアナリスト予想を下回った。

同社は決算発表より先、関連子会社が受注獲得を狙ってバーレーン の当局者らに賄賂を支払ったとされる問題で、米当局に3億8400万ドル を支払うことで合意したことを明らかにした。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によると、S&P500種 採用企業の今年の増益率は平均で9.7%が見込まれている。売上高 は3.8%増が予想されている。

JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカ(BOA)、ゴ ールドマン・サックス・グループはいずれも来週決算を発表する。

5指数が下落

S&P500種産業別指数は5指数が下落した。特に通信サービス株 が大きく下げた。AT&Tは2%安、ベライゾン・コミュニケーション ズは2.1%下落した。

小売株は0.2%安。Lブランズは4.1%安、ベッド・バスは12%下げ た。

メーシーズは7.6%高。来期の利益見通しがアナリスト予想を上回 ったほか、コスト削減のため2500人の人員整理に踏み切ることも明らか にした。JCペニーは3.7%上昇。パイパー・ジャフレーが同社株の買 いを推奨した。

原題:U.S. Stocks Little Changed as Retailers Drop Before Jobs Report(抜粋)

◎米国債:反発、30年債入札が好調-雇用統計を控えもみ合う展開も

米国債相場は反発。利回りが約2年ぶりの高水準近くにあるた め、30年債入札(規模130億ドル)では平均を上回る需要を集めた。

30年債入札では投資家の需要を測る指標の応札倍率が2.57倍と、昨 年10月以来の高水準。過去10回の平均は2.38倍だった。雇用統計の発表 を10日に控え、国債相場はもみ合う場面もあった。失業率は5年ぶりの 低水準にとどまると予想されている。連邦公開市場委員会(FOMC) は月間の債券購入額を引き続き縮小させていくとの思惑が広がってい る。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「まだ長期債の利回りが大き く上昇するような環境ではない。入札を前に相場が下落したため、入札 は非常に好調だった」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時2分現在、既発30年債利回りは1ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.88%。同年債(表面利 率3.75%、2043年11月償還)価格は7/32上昇し97 23/32。利回りは2日 に3.97%と、2011年8月以来の高水準を付けた。

10年債利回りは2bp低下の2.97%。2日には11年7月以来の高水 準となる3.05%まで上昇していた。

30年債入札

30年債入札で最高落札利回りは3.899%。入札直前の市場予想 は3.914%だった。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める割合 は44.4%。前回入札では46%、過去10回の平均は39.4%だった。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札者の比率は17.5%。前回は12.5%、過去10回の平均は15.6%。

野村ホールディングスの金利戦略責任者ジョージ・ゴンキャルベス 氏(ニューヨーク在勤)は顧客向けリポートで、「利回りが魅力的だと 買いが積極的に入っている」と指摘した。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の ビル・グロース氏は、償還期間が短めの債券に集中して投資すべきだと 指摘。米国の物価上昇ペースは遅く、政策金利は少なくとも2016年まで ゼロ%付近にとどまるとの見方を示した。

PCE価格指数

個人消費支出(PCE)価格指数の前年比での伸びは19カ月間、金 融当局の目標の2%を下回っている。昨年11月は前年同月比で0.9%上 昇だった。

グロース氏はPIMCOのウェブサイトに9日掲載した月間投資見 通しで、「債券価格、特に1年から5年といった利回り曲線のフロント エンドの部分は、フェデラルファンド(FF)金利の将来の水準に極め て大きく左右される。ほぼ事前に決まっているといえる債券購入縮小の 行程に左右されるのではない」と記した。

10日発表の12月の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比19万7000 人増が予想されている。11月は20万3000人増だった。失業率の予想は前 月と同じ7%。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャ ージー氏は「20万人を超える雇用増を織り込みつつある中、レンジ取引 となっている。利回りが現行水準から大きく離れるには上下どちらにし ろ、雇用統計が市場予想から大きくかい離する必要がある」と述べた。

原題:Treasuries Rise on 30-Year Auction Demand Before Jobs Reports(抜粋)

◎NY金:4日ぶり上昇、現物需要増加の観測-雇用統計待ち

ニューヨーク金先物相場は今週初の上昇。延べ棒やコイン、宝飾品 の需要が高まったとの観測が買い手掛かり。英国王立造幣局は2014年の ソブリン金貨の在庫が底を突いたと明らかにした。市場では10日発表の 米雇用統計に注目が集まっている。

ダニエル・ブリーゼマン氏(フランクフルト)を中心とするコメル ツ銀行のアナリストはリポートで、「金価格の下落で昨年は金貨や延べ 棒の需要が非常に力強かった。このトレンドは年初も続いているよう だ」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2 月限は前日比0.3%高の1オンス=1229.40ドルで終了した。

原題:Gold Gains First Time in Four Days on Increased Physical Demand(抜粋)

◎NY原油:8カ月ぶり安値、米増産と高い在庫水準を嫌気

ニューヨーク原油先物相場は続落し、8カ月ぶり安値。米国での原 油生産が急増したことに加え、石油製品の高い在庫水準と消費減少が嫌 気された。

マニュライフ・アセット・マネジメント(ボストン)で天然資源関 連の債券ポートフォリオを運用するマネジングディレクター、アダム・ ワイズ氏は「国内の原油生産は非常に大きく増加した」と指摘。「増産 は続くだろう。供給に勢いが付き、流通手段も改善しつつある」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比67セント(0.73%)安の1バレル=91.66ドルで終了。終値としては 昨年5月1日以来の安値。

原題:WTI Crude Tumbles to Eight-Month Low Amid Ample U.S. Stockpiles(抜粋)

◎欧州株:下落、ECB総裁発言に反応-見通し修正で仏アルケマ安い

9日の欧州株式相場は下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁 が低金利継続の方針をあらためて表明し、ユーロ圏が危機を脱したと宣 言するのは時期尚早との考えを示したことが背景にある。

化学製品を手掛けるフランスのアルケマは3.1%下落。通期利益見 通しの下方修正が嫌気された。英小売りのウィリアム・モリソン・スー パーマーケッツは約5年ぶりの大幅安。同社は通期利益がアナリスト予 想の下限になるとの見通しを示した。一方、原油・ガス田探査などを手 掛けるノルウェーのTGSノペック・ジオフィジカルは17%の大幅高。 英製薬会社アストラゼネカは0.7%上昇した。

ストックス欧州600指数は前日比0.4%安の328.41で終了。2013年 は17%上昇。同指数の株価収益率(PER、予想収益ベース)は13.8倍 となっている。2009年10月は15.7倍だった。

ETXキャピタル(ロンドン)の市場ストラテジスト、イシャク・ シディキ氏は「失業率は高止まりしており、緊縮策がイタリアやギリシ ャなどの成長を妨げているほか、フランス政府の成長促進策は不十分。 これら全てが、今年のユーロ圏に慎重となる理由だ」とリポートに記し た。

ECBはこの日開催した今年最初の政策委員会で、政策金利を過去 最低の0.25%に据え置いた。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調 査で51人全員が予想した通りだった。

ドラギ総裁は政策発表後の記者会見で、「政策委員会は緩和的な金 融政策姿勢を必要な限り維持することをしっかりと強調する」と語っ た。株価や債券相場が上昇し、アイルランドとポルトガルが債券市場に 復帰するという改善が見られる中でも、総裁はユーロ圏債務危機の終息 宣言を拒否した。

9日の西欧市場では、18カ国中10カ国で主要株価指数が下落。英 FTSE100指数は0.5%安、仏CAC40指数と独DAX指数はそれぞ れ0.8%下げた。

原題:European Stocks Decline as Draghi Warns Region Not Out of Danger(抜粋)

◎欧州債:スペイン債利回り過去最低に、入札順調で-ドイツ債も上昇

9日の欧州債市場ではスペイン国債が上昇し、2年物と5年物の利 回りがそれぞれ過去最低まで下げた。2019年償還債の入札では、落札利 回りがこれまでの最低となった。

スペインとポルトガルの国債は、高格付け国債を上回るパフォーマ ンスとなった。域内経済の回復兆候で債務危機の最悪期が過ぎたとの楽 観が広がり、周辺国の資産に対する信頼感が高まった。ドイツ2年債も 買われた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が低金利政策を継続す る方針をあらためて強調したことが手掛かり。ポルトガルは銀行団を通 じた32億5000万ユーロ相当の5年債発行を進めている。

ING銀行(アムステルダム)の先進国市場債券責任者、パドライ ク・ガービー氏は「今年に入ってからのテーマは、中核国の国債利回り が比較的落ち着いていることと周辺国債の利回り低下だ」とし、「周辺 国がシンジケート方式や入札を通じて債券市場に戻ってきており、需要 も極めて強い。先行き見通しは依然として前向きだ」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、スペイン2年債利回りは前日比3ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.01%。一時は0.953% と、ブルームバーグがデータ集計を開始した1993年以降の最低を付け た。同国債(表面利率3.75%、2015年10月償還)価格は0.04上 げ104.835。

スペイン国債の5年物利回りは11bp低下の2.213%となる場面も あった。10年物利回りは2bp上げ3.80%。一時は2006年9月以来の低 水準となる3.67%まで低下した。

スペイン政府は2019年4月償還債を35億3000万ユーロ発行。平均落 札利回りは2.382%と、5年債としては過去最低を記録した。17億6000 万ユーロ相当の2028年10月償還債の平均落札利回りは4.192%だった。

スペイン5年債のドイツ5年債に対する利回り上乗せ幅(スプレッ ド)は3bp縮小の139bp。これは終値ベースで2010年10月以降の最 小。

ドイツ2年債利回りは2bp低下し0.21%となった。

英国債相場は前日からほぼ変わらずで、指標の10年債利回り は2.98%。2日には3.08%と、2011年7月以来の高水準に達した。同国 債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格はこの日93.925。

原題:Spain Yield Drops to Record on Auction; German Notes Rise on ECB(抜粋) Pound Rises to One-Year High Versus Euro as BOE Maintains Policy (抜粋)

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