【クレジット市場】邦銀メガ、バーゼル3型劣後債発行の公算

三菱UFJフィナンシャル・グルー プなど国際業務を展開する銀行に適用される自己資本比率規制(バーゼ ル3)に応じた新型劣後債の条件やルールが、昨年12月にほぼ整った。 野村証券では早ければ3月末にもメガバンクが発行に踏み切る可能性が あるとみている。

保有国債や株式の価格変動リスクなどに備えメガバンクは新型劣後 債発行により自己資本を拡充させる、と野村証の魚本敏宏アナリストは 分析している。新型劣後債のスプレッドは従来型より30-50ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)高い水準になると想定。実際にメガバ ンクが破綻する可能性は低いだけに投資妙味があるとしている。

バーゼル3はリーマンショックを教訓に世界的な金融危機の広がり を防ぐ目的で設定された厳しい資本規制で、日本では2013年3月末に適 用が開始された。新たな発行ルールの決定を前に劣後債発行は急減。ブ ルームバーグデータによると、13年の国内銀行の発行総額は前年比75% 減の2830億円にとどまっていた。

米ムーディーズ・インベスターズのグレム・ナウド氏は、バーゼル 3に対応した新型劣後債の発行に関連した条件の公表により「日本の銀 行が発行に動く刺激となるだろう」と指摘。その上で、実際の発行では 「新型は旧型よりリスクは高くなると思うが、需給関係次第でプライシ ングはタイトになる可能性もある」とみている。

ベイルイン

バーゼル3では劣後債の自己資本(Tier2)への算入条件とし て、発行体が実質破綻と認定された際、投資家に返済すべき元本を削減 するか普通株に転換することを求めている。これは公的負担のリスクを 軽減すると同時に、銀行側に資金をとどめて混乱が連鎖することなどを 防ぐためだ。

金融庁は国際的な規制強化を受け13年6月に預金保険法を改正し、 銀行だけでなく証券会社や保険会社も含めた破綻処理の新制度を創設。 破綻した金融機関の債権者に一部負担を求めるベイルインと呼ばれる仕 組みを導入した。同庁では昨年12月13日に破綻認定基準などの条件案を 示し、1月14日まで意見を募集している。

3メガバンクの連結ベースの総自己資本比率は13年9月末で三菱 UFJが16.84%、三井住友フィナンシャルグループが16.03%、みずほ フィナンシャルグループが14.98%。現時点では各グループともバーゼ ル3が完全適用される19年3月期の最低基準を上回る。

3メガグループの広報担当は、バーゼル3に適応した劣後債の発行 計画など資本政策に関してコメントを控えた。

フィッチレーティングスの村上美樹ディレクターは、3メガが新型 劣後債を発行する意味として「徐々に馴らしておくという意義があり、 マーケットの整備が進めば、調達が必要となった際にスムーズに発行で きる」と述べた。ただ、各グループの資本水準からみて「無理に発行す る必要性はない」としている。

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