日本株反落、急騰反動とSQ控え売り-内需中心、米統計待ち

東京株式相場は反落。前日急騰の反 動売りに押されたほか、あすの株価指数オプションの特別清算値 (SQ)算出を前に、先物に持ち高整理の売りが出た。銀行や不動産、 食料品、小売など内需関連株中心に幅広く売られ、鉄鋼、石油株も安 い。週末に米国の重要統計の発表を控え、買い見送りムードも強かっ た。

TOPIXの終値は前日比9.48ポイント(0.7%)安の1296.75、日 経平均株価は241円12銭(1.5%)安の1万5880円33銭。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの三澤淳一執行役員は、 民間雇用など「きのうの米国のニュースフローはポジティブだったが、 為替にはストレートに影響していない。きのう上昇しただけに、短期の 相場リズムとして反動が出た」と見ていた。10日に発表される米雇用統 計については、「量的金融緩和縮小ペースや金利上昇スピードに微妙に 影響してくる可能性がある」と言う。

日経225オプション1月限は、あすがSQ算出で、きょうが最終売 買日だった。前日の日本株は「現物主導で上がったが、きょうは先物で 振り回された」と、しんきんアセットマネジメント投信運用部の山下智 巳主任ファンドマネジャーは指摘。SQは「どちらに転ぶか分からず、 大きな変動要因にはなる」とも話した。きょうの日経225先物中心限月 の出来高は8万枚超と、前日の7万3000枚から増えた。

米国で8日に発表された給与明細書作成代行会社のADPリサー チ・インスティテュートの調査では、12月の米民間部門の雇用者数は前 月比23万8000人増と、2012年11月以来で最も高い伸びを記録。ブルーム バーグがまとめたエコノミスト予想の中央値20万人増を上回った。10日 には米政府による雇用統計の発表もあり、きのうの米国の主要株価指数 は高安まちまちだった。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が8日に公表した連邦公開 市場委員会(FOMC、昨年12月開催)の議事録では、政策当局者らが 債券購入プログラムに関し、経済への効果が低下しつつあるとの認識を 示し、金融安定へのリスクが生じる恐れがあると懸念を表明した。

リスクオフの有無見極め

「米国株は昨年末にかけて好材料を織り込んでおり、利益確定売り が先行しやすい」と、いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役 員。ただ、よほどの悪材料が出なければ下がらないだろうとも述べ、 「雇用統計では多少の下振れがあっても、直ちにリスクオフ(回避)に はならない可能性がある」と予想する。

ドル・円相場は、1ドル=104円80-90銭台で推移するなど、きの うの東京株式市場の終値時点105円ちょうどと比べ小動きだった。

業種別では、銀行がTOPIXの下落寄与度で1位となり、情報・ 通信、不動産、小売も下落寄与度上位だった。銀行については「昨年末 にかけて上昇した反動」と、三井住友トラスト・アセットの三澤氏。前 日の上げが目立った小売については、個人消費の国内総生産(GDP) 構成比がピークアウトに向かう中、相対パフォーマンスは楽観できない と野村証券がことしの業界リポートで指摘した。

東証1部の売買高は30億2058万株、売買代金は2兆5448億円。値上 がり銘柄数は595、値下がりは1025。東証1部33業種は30業種が安く、 海運、保険、医薬品の3業種のみ上昇。下落率上位は石油・石炭製品、 食料品、不動産、その他製品、その他金融、鉄鋼、繊維、パルプ・紙な どだった。

売買代金上位では、前日急伸の任天堂が反落。三菱UFJフィナン シャル・グループやJT、コマツ、JFEホールディングスなども下げ た。デジタルカメラ鈍化を背景にした利益低調観測のキヤノンも安い。 先物の影響を受けやすい日経平均構成ウエート上位のファーストリテイ リング、ファナック、KDDIの下げも目立った。

半面、スマートフォン事業で2年後に世界の年間販売台数2倍増を 目指す、と9日付の日本経済新聞朝刊で伝えられたソニーは売買代金ト ップで上昇。子会社が開発した新型インフルエンザ治療薬が今春にも承 認・政府備蓄見通し、と読売新聞で報じられた富士フイルムホールディ ングスも高い。

--取材協力:Anna Kitanaka. Editor: 院去信太郎

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