債券は反発、国内株安受け買い優勢-10年物価連動債入札は強めの結果

債券相場は反発。前日の米国債相場 の下落を受けて売りが先行したが、その後は国内株価の反落を背景に買 いが優勢となった。きょう実施の10年物価連動債入札は市場予想を上回 る強めの結果だった。

東京先物市場で中心限月の3月物は前日比3銭安の143円70銭で開 始し、直後に143円65銭まで下落した。その後は株安を受けて水準を切 り上げ、一時は143円80銭まで上昇した。午後は前日の終値付近でもみ 合いとなり、結局は5銭高の143円78銭で引けた。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「入札は強めの 結果になったという印象。発行量がまだ少なくて規模も小さいので、強 めになりやすいという部分もあると思う」と分析した。債券相場につい ては、「入札が終わって安心感というのは多少あると思う。ただ、あす 米雇用統計発表があるので、あまり上を追って買っていくというわけで はないと思う」と話した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の332回債利回 りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.71%で始まり、午前10時すぎに は0.70%に下げた。しばらく0.705%で推移したが、午後3時すぎに一 時0.695%を付け、その後は0.70%で取引された。

5年物の116回債利回りは横ばいの0.22%。20年物の147回債利回り は0.5bp低い1.535%、30年物の41回債利回りは0.5bp低い1.695%と、と もに昨年12月25日以来の水準に下げている。

東京株式相場は大幅反落。TOPIXは前日比0.7%安の1296.75で 引けた。日経平均株価は一時300円近く下落した。野村証券の松沢中チ ーフストラテジストは「海外市場は金利上昇とリスクオフ(回避)の組 み合わせのため影響を読みづらいが、日経平均が大きく崩れなければ前 者の力が上回るとみている」と指摘していた。

米雇用統計

8日の米国債相場は下落。米10年国債利回りは前日比5bp上昇 の2.99%程度となった。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・イ ンスティテュートが発表した給与名簿に基づく集計調査で、12月の米民 間部門の雇用者数が前月比23万8000人増加と、市場予想の20万人増を上 回ったことなどが手掛かり。10日発表の12月の米雇用統計では非農業部 門雇用者数が前月比19万5000人増加すると予想されている。

この日に行われた表面利率0.1%の10年物価連動債(17回債)の入 札結果によると、最低落札価格は105円90銭となり、事前予想を25銭上 回った。応札倍率は2.87倍と5年ぶりに再開となった昨年10月8日実施 の前回入札の3.74倍から低下した。

財務省が午前実施した物価連動国債の買い入れ消却の結果による と、802億円の応札があり、300億円を落札した。対象銘柄は1回債か ら16回債まで。買い入れ金額は前回の200億円から増額し、既発債から 新発債への乗り換えを促した。

ドイツ証の山下氏は、入札結果が強めだったことについて、今後、 公的年金やそれに追随する年金など国内の買い手が増えるとの期待も多 少あると指摘。また、「政府・日銀の政策にインフレを上げようという 明確なスタンスが見られるので、それに対して、ある程度債券の中でイ ンフレリスクから利益を取ろうと思えば、物価連動債という選択肢にな る」と話した。

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