三菱商:仙台空港の運営権売却に関心、国内初民営化-海外で実績

今年実施される仙台空港の運営権売 却入札で、三菱商事など少なくとも3社が参加に関心を示していること が分かった。国内初の空港民営化案件として、新関西国際空港福岡空 港などの運営権売却に先行して行われ、地元宮城県は民間活力を生かし て空港を再生。東北復興に向け観光客誘致を進めたい考えだ。

事情に詳しい複数の関係者によると、三菱商事を含む少なくとも3 社が入札参加に向けた準備作業を進めている。国土交通省が昨年11月に 公表した資料によると、今年7月から入札手続きに入り、来年3月に優 先交渉権者を選定する。事業者は30年間、運営権を得ることができる。

関心を示している1社の三菱商は昨年8月、ミャンマーのマンダレ ー国際空港運営事業の優先交渉権を、日本航空系の航空関連企業ジャル ックスや現地企業と共同で取得。また、インフラ投資の実績を持つカナ ダのオンタリオ州教職員年金基金などとインフラ案件への共同投資を手 掛けるなど、海外でインフラ投資の経験やノウハウを積み上げている。

宮城県は昨年3月、今後30年で年間旅客者数を2倍の600万人に増 やす目標を掲げた。県の構想では、空港を玄関にして国内外の観光客を 誘致したり、基幹道路とのアクセスを生かしたビジネスや物流拠点を呼 び込みたい考え。

村井嘉浩県知事は6日の記者会見で、旅客数増には同空港に格安航 空会社(LCC)を誘致したり、ハブ空港化が欠かせないと指摘。運営 権売却先の条件として、「グローバルな展開をして相当大きなネットワ ークを持っていて、空港民営化の事業実績がある企業が望ましい」との 考えを明らかにした。

2-3兆円市場

国交省によると、東北の玄関口となる仙台空港の旅客者数は、2006 年の339万人をピークに減少傾向にあり、東日本大震災の被害を受け た11年度を底に回復傾向にある。公表されている最新の11年度の仙台空 港の滑走路とターミナルビルを合算したEBITDA(利払前税引前減 価償却前営業利益)は、約21億円の赤字だ。

国管理空港の仙台空港は、滑走路は国保有、ターミナルビルは宮城 県や七十七銀行、仙台銀行などが株主の第三セクター。同空港など多く の国管理空港は滑走路は赤字、ターミナルビルは黒字という収益構造に なっており、民間への運営権売却で経営を一体化し、効率的な運用を目 指している。

政府は成長戦略の一環として、老朽化するインフラの更新投資に向 けて、民間資金を生かした社会資本整備(PFI)を今後10年間で12兆 円規模に拡大する目標を掲げている。政府は、新たに導入された運営権 売却方式による空港や上下水道などの公共施設の民営化は2-3兆円規 模と見込んでいる。

運営権売却をめぐっては、仙台空港に次いで、新関西国際空港も来 年度中に入札を実施する方針。福岡空港も運営権売却に向けた検討を進 めている。

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