日本酒ブームで「山田錦」など昔ながらの酒米に脚光

福井県越前市では今年、うるち米品 種の「日本晴」を10年ぶりに栽培する農家が増えている。日本酒の輸出 が過去最高に達し、昔ながらの日本栽培種のイネが見直されている。

農水省の最新のデータによれば、昨年1-10月の日本酒の輸出額は 過去最高の約85億円に達した。年間ベースでは4年連続の増加となる見 込みだ。JA越前たけふによると、同地区の日本晴の生産量は今 年、1080トンに達する見通しだ。

安倍晋三首相は日本酒や煎餅などコメ製品の輸出額を2020年までに 5倍に増やし、600億円とすることを目指している。これは、宝ホール ディングスなどの酒造メーカーにとって追い風となり、主食用のコメ消 費が落ち込む中、食用米から酒米への移行を進める一部の農家にとって も好機となりそうだ。

日本酒造組合中央会の日本酒輸出アドバイザー、小桧山俊介氏は、 酒造メーカーはコメの品質の重要性をこれまで以上に認識していると指 摘。フランスのワイナリーが最高のブドウを手に入れたがるようにコメ の品種に注目していると語る。

日本晴はかつて食用米として最も人気が高かったが、1970年代末に 甘味と粘りがより強い「コシヒカリ」が主流となった。日本晴は、タン パク質の含有量が低く雑味が少ないため、日本酒の醸造に適している。

JA越前たけふの安井貞彦・課長補佐は日本晴について、多収性品 種で収入の増加につながるとし、高温や台風に対する耐性もあり、比較 的栽培しやすいと述べた。

贈り物

旭酒造の桜井一宏副社長によると、安倍首相のお膝元である山口県 では、旭酒造が「山田錦」を原料とする純米大吟醸の製造を増やしてい る。桜井副社長は山田錦について、粒が大きく核にでんぷんが凝縮して いるので、純米大吟醸の製造に最も適していると話す。昨年は2400トン を利用した。

安倍首相は、フランスのオランド大統領が昨年6月に訪日した際に 旭酒造の純米大吟醸「獺祭」でもてなし、ロシアのプーチン大統領の61 歳の誕生日にもプレゼントとして贈った。

山田錦は約90年前に兵庫県で開発された。兵庫県によると、同県の 山田錦の生産量は12年に1万5796トンと、11年の1万5227トンから増加 した。

農水省によると、日本酒の輸出先は米国向けが最大で昨年1-10月 の輸出額は32億円と、輸出額全体の38%を占めた。12年通年は32億5000 万円だった。昨年1-10月の香港向け輸出額は13億円。12年通年は15億 円だった。

原題:Sake Boom Revives Vintage Rice Strains as Abe Eyes Farm Exports(抜粋)

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