ドル上昇、米貿易赤字縮小や株反発でリスク選好-一時105円台

東京外国為替市場ではドルが対円で 上昇し、一時は2日以来の1ドル=105円台に乗せた。11月の米貿易赤 字が予想以上に縮小したことや、株価の反発を受けたリスク選好の動き でドル買い・円売りが優勢となった。

ドル・円相場は朝方に付けた104円59銭から一時105円ちょうどまで ドル高・円安が進んだ。午後3時20分現在は104円85銭前後で推移して いる。

楽天証券の相馬勉債券事業部長は、ドル・円について「円安の流れ は変わっていない。消費増税への不安感はあるものの、日銀の追加緩和 期待もあり、ドルが落ちたところでは拾っていく感じ。105-110円のレ ンジに向かっていく動き」と述べた。

国内株式市場では、日経平均株価とTOPIXが3営業日ぶりに大 幅反発。それぞれ前日比307円08銭高(1.9%高)の1万6121円45銭、 同22.98ポイント高(1.8%高)の1306.23で取引を終了した。

楽天証の相馬氏は、「年末に株やドル・円が高値を付けたので、い ったん利食い売りが出たものの、方向転換したわけではないと思う。安 倍晋三政権も株高・円安基調を持続させるとみている」と話していた。

一方、あおぞら銀行市場商品部の諸我晃為替マーケットメイク課長 は、「米国株が上昇し、日本株も買い戻しが入っている。リスクオン (選好)の動きでドル買いとなっている」と説明した。

米商務省が発表した昨年11月の貿易収支統計によると、貿易赤字 (国際収支ベース、季節調整済み)は343億ドルと、2009年10月以来の 低水準を記録した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト 予想の中央値は400億ドルだった。

FOMC議事録

野村セキュリティーズ・インターナショナルの外国為替ストラテジ スト、チャールズ・サンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は米貿易赤字 の縮小について、「エネルギー輸入の減少が大きく影響している。ここ 数年見られた多額の貿易赤字が徐々に縮小することを示唆しており、こ れはドルにプラスだ」と指摘。「米経済の成長を示す指標が力強さを増 しており、ドルを今後も支えるだろう」と続けた。

今晩には、12月17、18日に開催された米連邦公開市場委員会 (FOMC)議事録と12月のADP雇用統計が発表される。

上田ハーロー外貨保証金事業部の黒川健氏は、「前回FOMCで量 的緩和縮小に踏み切る判断に至った経緯や議論内容を明らかにするとと もに、今後の縮小ペースを判断する上で注目度が高い」とみている。

ブルームバーグ予測調査によると、12月の民間部門の雇用者数は前 月比20万人増加が見込まれている。11月は21万5000人増加だった。

ECB会合

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.36ドル台前半での取引となってお り、同時刻現在は1.3630ドル前後。ユーロ・円相場は一時1ユーロ =143円16銭と3日以来の水準までユーロ高・円安が進んだ。同時刻現 在は142円91銭前後で推移している。

欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中銀)は9日に金 融政策を発表する。

ユニオン・バンクのトレーダー、白井万雄氏(ロサンゼルス在勤) は、ECBの金融政策について、「消費者物価指数(CPI)に注目し ていた人が多いと思うが、これが予想通りの数字だったということで、 とりあえず一段落という気がしている。これがもっと悪い内容だった ら、利下げという話もあったかもしれないが、今回はノーイベントなの ではないか」と述べた。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が7日発表した12月の ユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年同月比0.8%上昇だった。11 月は0.9%上昇。

三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「そもそも ECBのターゲットは2%弱であるのだから、デフレ圧力は相応のもの ととらえることができよう」と分析した。

--取材協力:大塚美佳. Editors: 青木 勝, 崎浜秀磨

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