リクシルG:新興国開拓で数百億円規模の海外企業買収検討

住宅設備大手のLIXILグループ は新興市場開拓に向け、数百億円規模の海外企業買収を検討している。 米アメリカンスタンダードブランズ(ASB)や独グローエグループの 買収により、キッチンや風呂など水回り設備の世界トップに躍り出た同 社は、一段の成長に向け、成長率の高い新興国に照準を合わせる。

リクシルGの藤森義明CEOは、「エマージングマーケット比率を 上げていかないと、全体的に二ケタ成長はできない」と述べ、アジア諸 国、アフリカ、ロシアなどの新興国で水回り事業を展開する企業を対象 に買収を検討。売上高に占める新興国の比率を現在の2割弱から3割超 に引き上げ、2020年3月期の海外売上高1兆円達成を目指す。

人口減少による国内新築住宅市場の縮小を背景に、住宅設備メーカ ーは新たな収益源としてリフォーム事業や海外展開に力を入れている。 政府は成長戦略の一環としてリフォームや中古住宅の流通規模を20年ま でに2倍に拡大する方針を掲げ、同社も自前のホームセンター展開で国 内建材流通事業の拡大を図る。しかし、現状では、国内よりも成長率の 高い新興国市場への投資の方が、「優先順位は高い」という。

2011年8月の藤森CEO就任以来、伊ビルサッシのペルマスティリ ーザ、米水回り大手のASB、印ビルサッシのスターアルビルド、欧州 水回り大手のグローエなど相次ぎ買収を決め、リクシルGは水回り、ビ ルサッシの主力2事業で、世界トップに躍り出た。残りの窓事業での買 収・合併(M&A)については「グローバルのシナジーがどこまである のか読み切れていないので、水回りを固めるのが先」という。

リクシルG株は午前の取引で一時、前日比4.8%高の3060円とな り、前身のトステムが1997年に付けた3100円以来の高値となった。伸び 率は昨年8月以来の大きさだった。

資金調達環境

グローエ買収に関しては、今年前半に992億円で発行済み株式 の43.75%を取得、17年3月期以降に共同買収した日本政策投資銀行か らも保有株を買い取り、最終的に保有比率を87.5%を引き上げる計画 だ。

同社は買収資金の一部として、昨年末に500億円の社債を発行。こ の社債の対国債スプレッド(上乗せ金利)は10ベーシスポイント(b p、0.01%)前後と低水準に抑制されており、藤森CEOは「資金調達 環境が良かったからこそ、これまでやってこれた」と述べた。同社の有 利子負債残高は過去2年半で1.8倍に膨らんでいる。

来期以降も年500億-600億円規模のM&Aを含む新規投資は継続す るとともに、3年後に控えるグローエ連結子会社化に向けた内部留保の 確保や株主配当を優先する。国内外の低金利環境が続くうちは、残りの キャッシュフローは返済に回さずに自社株買いなどの「株主リターンに 回す」方針だ。すでに今期の通期配当見通しは1株40円から50円に上方 修正している。

藤森氏は日本ゼネラル・エレクトリックの会長兼CEOを務め、欧 米流の経営手法を実践してきた。グローエなどの買収で世界的な拠点と ブランドを手に入れたのを契機に、経営体制を刷新し企業文化の融合に 乗り出す。6地域の代表と、財務や人事など機能別に9分野の代表から 成る15人の経営委員会を発足。法務には米国人弁護士の採用を決めてお り、日本人は半分程度となる見通しだ。

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