円がじり安、日米金融政策格差で先安観-欧米イベント待ち

東京外国為替市場では円がじり安。 日本株の下落を背景に円買い圧力が残ったものの、日米金融政策の方向 性の違いから円先安観が根強い中、円は徐々に水準を切り下げる展開と なった。

ドル・円相場は1ドル=104円台前半から一時104円62銭まで円売り が進行。また、ユーロ・円相場は一時1ユーロ=142円ちょうどを割り 込む場面も見られたが、その後142円53銭まで円売りが進んだ。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、 ドル・円相場について、「チャート上は2007-11年の高安値の61.8%戻 しの主要抵抗線で折り返してきていることもあり、ドルの戻り売りを呼 びやすいが、経済指標次第では米国の量的緩和の縮小が加速する可能性 もあるため、ドル売りもポジション調整の範囲を超えることはないだろ う」と指摘。あとは今週発表される雇用統計など「米国の数字次第だ」 と語った。

一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.36ドル台前半で小動き。ユ ーロ圏の物価指標の発表を前に、欧州市場に向けては1.3611ドルまで値 を切り下げた。

7日の東京株式相場は続落。午前の取引では一時プラスに転換する 場面も見られたが、買いは続かず、TOPIXは前日比0.7%安 の1283.25で引けた。

下がったところは買い

前日の海外市場では米供給管理協会(ISM)非製造業景況指数が 予想を下回ったことを受け、米国株が続落。米長期金利も低下する中、 ドル・円は一時103円91銭と2週間ぶりのドル安・円高水準まで値を切 り下げていた。

バークレイズのFXストラテジスト、逆井雄紀氏(ニューヨーク在 勤)は、「足元は米国のデータが強く出て、サプライズが大きかった が、こうしたポジティブなサプライズが今後も続くのは多少難しいとい う感じがしている」と指摘。もっとも、中長期的には米国の景気回復は 続き、日銀もどこかのタイミングで追加緩和に動くとみられるため、ド ル・円が「下がったところは買いたいという姿勢で当分はいた方がい い」と話していた。

米国ではこの日、11月の貿易収支が発表される。また、あす以降は 民間雇用統計、連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、雇用統計と注 目材料が相次ぐ。

米上院本会議は6日、次期連邦準備制度理事会(FRB)議長に指 名されたジャネット・イエレン副議長の15代議長就任をめぐり採決を行 い、賛成多数で承認した。FRBは今月、量的緩和の縮小を開始する。

クレディ・アグリコルの斎藤氏は、「FOMC議事録やECB(欧 州中央銀行)会合、米雇用統計を控えて利益確定の動きが出やすいもの の、ポジションをドルの売り持ちに傾けることはできないので、ドル・ 円は104円台のレンジ相場になっている」と説明。「月初で輸入企業な どのドル買いも出ているようだ」と付け加えた。

ユーロ圏のインフレ動向

一方、ユーロ圏ではこの日、11月の生産者物価指数、12月の消費者 物価指数速報値の発表が予定されている。

バークレイズの逆井氏は、今週のECB会合では政策変更はないと みているが、物価指標が下振れれば、「当然マーケットとしても一段の 緩和を織り込む」と指摘。その上で、目先は米経済指標が弱含む可能性 もあるが、6カ月先や1年先を考えれば米国の方が「先に引き締めとい う方向は変わらない」と言い、ユーロ・ドルも結局は「金融政策の見通 しの差というのに落ち着く」との見方を示した。

--取材協力:大塚美佳. Editors: 青木 勝, 崎浜秀磨

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