ソニー平井社長、経営理念売り込みに苦戦か-CESで初の講演

ソニーの平井一夫社長は7日に米ラ スベガスで開幕する世界最大の家電見本市コンシューマー・エレクトロ ニクス・ショー(CES)で自身にとって初の基調講演を行う。平井氏 は、同社事業の分離はあり得ないとのメッセージをあらためて発信する 見通しだ。

平井氏は2012年4月に最高経営責任者(CEO)に就任して以来、 同社全体を通じて、各部門の単純な合計よりも高い価値を目指す「On e Sony(ワンソニー)」という経営理念を推進。テレビと携帯電 話、ゲーム機を映画やテレビ番組、ゲームソフト、音楽と同じ屋根の下 に集結することで、収益を高めることができると訴えてきた。

ソニーは、専用の映画やテレビ番組などに手助けされ、超高精細の 「4Kテレビ」と呼ばれる次世代テレビでリードしている。だが、昨年 7-9月(第2四半期)には、映画・テレビ部門ソニー・ピクチャー ズ・エンタテインメント(SPE)で1億8100万ドル(現行レートで 約188億円)の営業赤字を計上した。

ヘッジファンド運営会社サード・ポイントを率いるダニエル・ロー ブ氏は昨年、ソニーにエンターテイメント事業の分離上場、一部売却を 提案しており、この赤字計上でローブ氏の発言の重みも増した形だ。同 時に、平井氏がCESでの講演でワンソニーについて共感を得るのは一 段と難しくなった。

ソニーの広報担当、ジョン・ドラック氏によれば、平井氏は講演で クラウドコンピューティングに重点を置き、同社の家電製品をテレビ番 組、音楽などのソフトと連携させることで提供できるメリットを売り込 む見通し。

調査会社エンビジョニアリング・グループのリチャード・ドハーテ ィ社長は、平井氏が「新しい活力を吹き込んだ経営方針を提示する」と 予想する。

一方、大和証券の綾田純也氏は、CESでの基調講演は平井氏にと って重要な舞台になるのは確かだと指摘した上で、投資家に好印象を与 えるような強いメッセージを送れるかどうかは分からないと語った。

原題:Hirai’s One Sony Vision Cloudier in Vegas After Film Loss: Tech(抜粋)

--取材協力:Andy Fixmer. Editor: Anthony Palazzo

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