JX:過剰な石油製品供給に改善の可能性-ナフサに輸入需要も

JX日鉱日石エネルギーなど石油元 売り各社は昨年、石油製品の供給過剰によるマージン(利ざや)の悪化 に苦しんだが、2014年は製油所の定期修理が重なることや製油所の精製 能力削減が予定されていることから、各社を取り巻く石油製品の需給は 引き締まりそうだ。

JXエネルギーの細井裕嗣需給本部長はインタビューで、最長で4 年に1回と法律で定められている各社の製油所定期修理が5、6月に重 なる見通しだと指摘。今年は国内市場の需給バランスが「ある程度改善 されていく、少なくとも改善が可能な年になると思う」との見方を示し た。

同社は法定の定期修理を実施するため水島製油所B工場(日量20 万5200バレル)、鹿島製油所(同18万9000バレル)、大分製油所(同13 万6000バレル)を5-6月に停止する予定。さらに、経済産業省が国内 石油各社の競争力強化を狙って施行したエネルギー供給構造高度化法へ の対応策として3月に、JXが室蘭製油所(同18万バレル)、出光興産 が徳山製油所(同12万バレル)で原油精製をやめる。

JXは、市場の製品価格と原油輸入価格の差であるマージンが悪化 したために、4-9月期の石油製品事業の経常損益が(在庫影響除き) 前年同期の239億円の黒字から126億円の赤字に転落した。とりわけ4- 6月期にはJX発足後で最悪ともいわれる水準までマージンが下落し た。トラブルで停止していた複数の製油所が相次いで運転を再開したこ となどから石油製品の需給が一気に緩和し、スポット市場の価格を押し 下げたことが影響した。

細井氏は「各社が市場を適正化しようという積極的な意思を持つ必 要があると学んだ1年だった」と昨年を振り返る。14年は定期修理によ る運転の停止や精製能力の削減があるものの「受動的に改善できるとは 思わない」とし、「改善できる環境は整っているので、石油会社がどう 適正化を図っていくのかということに尽きる」と指摘した。

ナフサ輸入の必要性

同社と韓国の石油最大手SKイノベーションは今年、韓国東南部ウ ルサンで合弁のパラキシレン製造事業を開始する。JXはこの事業向け にパラキシレンの原料となるキシレンやトルエンを年70万トン供給する 予定だ。そのため、JXは3月に室蘭製油所で石油精製過程の入り口に ある「常圧蒸留装置」を廃止するもののキシレンやトルエンの製造装置 は残す。

従来は常圧蒸留装置から出てくる重質ナフサをキシレンやトルエン を製造するための原料として利用していたが、この装置が廃止されるた めに重質ナフサを輸入する必要が生じるという。細井氏は重質ナフサの 供給源は数多くあり、極東側のロシアや米国、カナダ、欧州などからの 調達を計画していることを明らかにした。

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